内容説明
人工知能を知ることは、これからの社会を知ること。人工知能開発にかかわる執筆者たちが、日進月歩の人工知能を多面的に解説。
目次
第1章 人工知能研究と脳研究―歴史と展望
第2章 身近なところで使われる機械学習
第3章 Watsonの質問応答からコグニティブ・コンピューティングへ
第4章 脳型コンピュータの可能性
第5章 ナチュラル・コンピューティングと人工知能―アメーバ型コンピュータで探る自然の知能
技術解説 ディープラーニングとは何か?
著者等紹介
合原一幸[アイハラカズユキ]
東京大学生産技術研究所教授、同大学院情報理工学系研究科教授、同大学院工学系研究科教授、理化学研究所AIP特任顧問。1954年生まれ。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。東京大学大学院工学系研究科教授、同新領域創成科学研究科教授、JST・ERATO合原複雑数理モデルプロジェクト研究総括、内閣府/JSPS・FIRST最先端数理モデルプロジェクト中心研究者等を経て、現職。専門はカオス工学、数理工学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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すしな
43
041-23.AIというとどうしてもソフトウェアやアルゴリズムに意識が行きがちですが、ハードウェアにおける研究の話を聞けて面白かったです。しかも、今のコンピュータのほとんどがデジタルな中で、アナログなプロセッサを日本で研究しているということだったのでさらに興味深かったです。特に最近のプロセッサはどんどんパワフルになって圧倒的な性能でこなしているのですが、アナログの場合だとより柔軟に処理できるんだそうです。そういうところで日本のプレゼンスを発揮できると良いなと思いました。2023/03/21
uD
11
人工知能と脳の似た点・異なる点、それぞれのメリット・デメリット、AIの歴史とこれから、そして計算と学習の仕組みについて書かれていました。 素人の僕からすると難しい内容も多かったですが、具体的な例を挙げながら説明してくれている箇所は特におもしろかったです。 「近い将来、AI技術の進歩によって職を奪われてしまう!」といった話もありますが、歴史を振り返ると、“革新的な新技術は多くの職を奪う一方で、それ以上の新しい職を生み出すのが常である”のだそうです。 そういった意味でも、知って学んで考えていきたいです。 2018/05/08
うちひと
1
オムニバス形式で人工知能を学術的、実用的な観点から概観した本。学術より。ディープラーニングだけでなく、人工“脳”の可能性なども説明しており、俯瞰的。ディープラーニング一辺倒が多い最近の本に比べ、歴史も含め、人工知能の今を概観できる本。専門家でなければ、読み流して概要を掴むことに利用すべきだろう。2019/01/06
鉄路のほとり
1
第1〜3章がいわゆる人工知能によって何が可能になったのか、の第一線の研究者達による紹介で、非常にわかりやすい。特にIBM Watsonの仕組みが語られる第3章は、人工知能による質問応答システムのビジネスへの応用可能性とその限界がよくわかる。第4章・第5章は脳型コンピュータ、ナチュラル・コンピューティングという、どちらかというと演算機構をどのように設計するかという話で、かなり難解だった。2018/11/02
6haramitsu
1
AIがまだまだの技術なのがよく分かったし、汎用的なAIはできていないので、解きたい問題に最適な解法を選ばなくてはならない。脳は少ないデータで学習するが、ディープラーニングなどは教師データやビッグデータが必要で、恐らく脳は別の学習方式とのこと。なるほど、AIまだまだの技術なんだなぁ。踊らされずに、技術を選ぶ必要がある。脳の研究ってこんな風なんだなぁとびっくりした。2018/07/09