内容説明
「技術」「営業」「知財」の3つをいかに組み合わせ、戦い、勝つか―。ホンダで10年以上知財部長を務めた著者が語る、会社の権利を守り、利益を上げるための、知財の使い方。
目次
第1章 知財活動スタート
第2章 出願戦略
第3章 権利行使
第4章 パテントトロールと異分野からの参入
第5章 ノウハウの防衛
第6章 ブランドマネジメント
第7章 国家間知財競争
第8章 未来へ
著者等紹介
久慈直登[クジナオト]
元本田技研工業知的財産部長。1952年岩手県久慈市生まれ。学習院大学大学院法学研究科修士課程修了後、本田技研工業株式会社に入社。本田技術研究所で開発管理に携わった後、本田技研工業の初代知的財産部長を2001年から2011年まで務めた。2011年よりIP*SEVA(日米独の技術移転ネットワーク)ASIA代表、2012年より日本知的財産協会専務理事、知財関連の5団体の理事、2014年より日本知財学会(IPAJ)副会長を務めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kawai Hideki
97
滅茶苦茶面白かった。ホンダで長年知財部門の陣頭指揮をとっていた実務者による、特許を使った喧嘩の仕方。若手を途上国に送り込み、ホンダの類似品の摘発から訴訟まで自分でやらせる鍛え方、特許を侵害する相手の追い詰め方と訴訟を起こす地域の順序、パテントトロールの出自による手口の違いと、それに対する対処方法、特許法の未整備な国でのブラフのかけ方などなど、実戦で磨かれた、したたかな戦い方が満載。電機業界については、特許件数を稼いでばかりで権利行使しないから、新興国は侵害しても怒られない事を学習する、と手厳しく批判。2015/12/18
たまきら
14
読み友さんより。言葉が巧い!タイトルにニヤリ。職人さんや開発者と寄り添いつつもまた違った立場で彼らと共に働く人たちの世界を知る楽しさ。昔ホンダさんで新車のアメリカ用PV作った時、技術の方にいろいろ話していただいたことを思いだしました。そして、言葉の応酬の裏にある相互理解の重要性を説く部分に感激。真の国際人ってそういうことだと思います。あと、開発費用にどのぐらい投資してるかの部分にうなりました。投資した分きちんと回収するとはいえ、やっぱアメリカすげえ。あえて言うなら文化という知財に言及してほしかったかな。2016/02/22
hayataka
6
元本田技研知財部長が書いた喧嘩(知財戦争)の作法。タイトルだけでは自己啓発本とも取れるが、中身はゴリゴリの知財戦略本。特許だけでなく、商標・意匠・著作権・不正競争防止法なども含めた総合戦であることを改めて実感する。各国(欧米露韓中アフリカ)の知財戦略・制度も含めたホンダのリアルな攻防戦に基づいており、具体的で分かりやすい。最後の方では、知財制度そのものの不都合(弊害)についても書かれていてバランスが良い。前提知識が無かったり、興味がなかった人でも、1つの読み物として楽しめると思います。2016/03/21
ハマグリ
4
タイトルが攻撃的で少し躊躇してしまいましたが素晴らしい内容だった。これだけ実戦で知財の活用に役立つ情報の本を見たことがなかった。 また読みたい また知財で生きてかと言うことは常に勉強なんだなと改めて思いました2018/08/28
ぼっくん
3
少し前に書かれた本作。今、知財をタネに仕事をしている身には勉強になりました。知財を抜きにしても、ビジネス書としても、参考になります。知財を矛と盾にして、少し行儀悪いぐらいでないと、ビジネスでは生き残れないですね。2018/04/03