目次
第1章 生命と鉄
第2章 アナザーワールドの辺境生物
第3章 生命を育てる舞台の条件
第4章 鉄は生命のサプリ
第5章 「風土サイエンス」で地球を見る
終章 連鎖する生命
著者等紹介
長沼毅[ナガヌマタケシ]
広島大学大学院生物圏科学研究科准教授。1961年生まれ。筑波大学第二学群生物学類卒業、同大学院博士課程修了。理学博士。生物学者。専門は生物海洋学、微生物生態学、極地・辺境等の過酷環境に生存する生物の探索調査。95年に日本海洋学会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキちゃん
8
鉄といってもスケールの大きな話。宇宙の中で命がつながっている、なぜ鉄分が必要か、しっかり考えて食事しようと思った。自然の一部として命を全うしたい。2018/12/20
そらのひつじ
1
「科学界のインディージョーンズ」としてもお馴染みの、長沼毅先生の鉄をテーマにした本。本書は鉄が常に主役ではなく、時には脇役、さらには裏方に徹する場面もある。そこに鉄の汎用性高い元素としての魅力を感じる。生命誕生、塩の極限微生物ハロモナス、海洋の生態系などなど、生物学者らしい鉄へのアプローチも多くて、興味深い話題が満載だ。陸からの鉄の供給がないため、海水の成分はミネラル豊富にも関わらず生物の少ない海域があり、そこに鉄をまいて生物を増やす実験が、とりわけ興味深かった。2014/01/26
ochatomo
0
元素合成は水素に始まり鉄に終わる2015/07/24
柏原 輝彦
0
資源の研究もこういう感覚で向き合いたいと思った。 鉄は生命のサプリ。現在の海は貧血。珪藻は海の牧草。表層は生物で窒素リンが消費され、塩分の均一性を決める要因とは本質的に違う。Feにまつわる現象は、人と自然の営みのサイエンス。宇宙史、地球史、生命史などからとらえ直すことで物語になる。現在の宇宙は第二周期の元素が増えている宇宙。クエン酸回路は代謝の中心を担う古い代謝。ダムとタービンのたとえと水素イオン勾配とATP。代わり番子と地団太を踏む。分かりやすさのために拾わなかった部分に真実があることを恐れている。2014/09/15
mimorin
0
山川森海は、目には見えない元素、微生物などがくっつき影響し合っているうえに存在していることがわかった。人間もそのような自然と繋がりの中で生かされている。たたらとヤマタノオロチの壮大な考察は、1970年代の梅原猛さんの本を読んでいるようでとても興味深かった。また、たたら作りには山窩の人たちも関わっていることをしり、山窩の人たちの暮らしにも思いを馳せました。2014/03/26