内容説明
中国の急速な台頭と海洋進出にいかに対処するか―。日本の安全保障と国防の問題を外交・国際政治・防衛のエキスパートが論じ尽した喫緊・必読の論文集。
目次
第1章(「ポスト冷戦期」の我が国の安全保障―イラン核開発危機と日本のエネルギー安全保障;オバマ政権のアジア回帰政策―韓国の役割と日本の歴史認識;日米防衛協力指針の見直しについて―提言)
第2章(島嶼防衛の諸問題;インド洋で想定される最悪のシナリオ―シーレーンの安定と日本の責務;米中対峙の場となる南シナ海;海洋への進出を強める中国―その理由と日本の対応)
第3章(日本の国際平和協力と平和構築―アフガニスタンの経験から;日本にとって米海兵隊の意義とは何か?;東日本大震災と陸上自衛隊)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
6
安倍政権よりの安全保障論者の論集。安保法制懇みたいにむちゃくちゃな論で構成されているのと思いきや、比較的バランスが取れている。だが安倍政権よりなので、日米同盟を中心とする多国間軍事連携が中心。注目なのは米国の軍事戦略転換について。これまでは仮想敵国を撃破する能力を得るための計画を基準として軍の態勢を決定してきたが、最近は中国との紛争に備える事ではなく、むしろ紛争を不要にし、将来は紛争の可能性がなくなるような地域環境を作り上げる事だと。その環境作りにおいて安倍の歴史認識を一番問題視している所が興味深かった。2014/11/04
おっくー
5
課題やらで助けてもらった本。海兵隊について興味深く感じた。また、伝統的安全保障や防衛政策を話合うのは必要だが、国民が勉強不足であることは否めない。基本的なことは義務教育で教えるべきだと思う。2015/01/22
秋津
3
NSC局長就任前の谷内正太郎さんが「一般に公表して差し支えない形で」とりまとめた、早稲田大学日米研究機構の研究会の成果論文集。研究者や外交官、自衛官などの報告者が、対米、対中関係などを中心としたアジア・太平洋の安全保障問題や、国際貢献や災害対策について、それぞれの立場から提言・分析を行っています。たまに「何言ってんのこの人」と思うところもありますが、知見に乏しいので、勉強になったなと。特に渡部恒雄さんの日米韓の関係に関する考察の中の「ハードとソフトパワーのハイブリッド戦略」は面白く読むなど。2014/09/28