内容説明
アメリカがつくった世界システムとは何か?挑戦者・中国と、その中国を執拗なまでに警戒するインドの先行きは?日本は、もっといい国、強い経済を持つ国に変わっていけるのか?これからの時代を担うあなたが、絶対に知っておくべき現代史。慶應義塾大学大学院の人気講義、待望の単行本化。
目次
第1講 はじめに
第2講 若かった日本の勢いを知る
第3講 九州が奪われそうだった頃
第4講 あなたの父親も知らない戦争について学ぶ
第5講 英国に学ぶ、米国との付き合い方
第6講 米国システムはどうできたか
第7講 ニクソン・ショックとは何だったのか
第8講 中国リスクを根元から理解する
第9講 楽観論者だけが未来をつくる
第10講 日本が変わることを知る
著者等紹介
谷口智彦[タニグチトモヒコ]
1957年生まれ、東京大学法学部卒。内閣審議官。2008~13年、明治大学国際日本学部客員教授など。2005~08年、外務省外務副報道官。それ以前約20年「日経ビジネス」記者、編集委員。その間プリンストン大学フルブライト客員研究員、ロンドン外国プレス協会会長、上海国際問題研究所客座研究員、米ブルッキングズ研究所招聘給費研究員を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Miyoshi Hirotaka
25
現代史を今の若者視点で定義すると祖父母の記憶の始まりから流行や大事件が自分の記憶に蓄積されるまで。この期間は、間に位置する父母、つまり私の世代が、前の世代や自分の時代について客観的かつ冷静に評価できる。私たちが生きている今の時代はいくつかあった選択肢の一つでしかない。現代史の動きをたどりながら自分の位置を突き止め、その背景を確かめてゆくことは、前途に横たわる困難な課題に対し、確からしい選択をするのに必要。先祖の系譜をたどり、共感をもって眺めれば、歴史は生き生きと見える。それは未来へ向けて誇るべき過去だ。2017/03/04
ムカルナス
9
安倍総理のスピーチライターだった著者が大学で講義した現代史。明日の日本を拓くのに必要かつ実用的な歴史知識として米・英・仏・印・中が現在の姿に至った経緯が述られている。大英帝国が米により引導を渡される話も感慨深いし、ドルと金の交換停止というニクソンショックが現代国際社会の起点となるという視点も勉強になった。自国民の大量虐殺が共産主義国家で起こる仕組みにも納得。ただ、戦後の日本は米国に助けられ育てられた、感謝してもし切れないと言うのはその通りだが米国は国益のために日本を破壊した後に援助してるにすぎないと思う。2020/01/09
Honey
9
確か安倍総理のスピーチライターをされていた方…ということで、手に取ってみましたら、大正解。自衛官や院生向けの講義録ということですが、国際関係をもっとよく理解したいと思う全員にお勧め。時系列ではなく、全10講それぞれに興味津々のテーマで構成。戦後、アメリカが作ったシステムとは何か、日本はそれにどう乗せられ、あるいは乗っかってきたか、そしてこれからの日本はどう行くべきか。。。現代史把握のポイントを、実に多くの書籍から適切な個所を引いて、面白くも効率的に理解が深まるよう構成されていると思います。2019/08/28
砂王
5
世の中には、知名度はなくても、要職についていて、しっかりした人がいるものだ。過去の文脈を織り込んだ上で、次に繋げるというプロセスは、当たり前のことだが、なかなかできることではないと思う。非常に有意義な本です。2016/05/03
kk
4
成長を目指す前進力とは自己肯定と身の丈を自覚したうえでの適量の自信からうまれる2019/10/12