アリの背中に乗った甲虫を探して―未知の生物に憑かれた科学者たち

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  • サイズ B6判/ページ数 404p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784863100633
  • NDC分類 460.28
  • Cコード C0045

出版社内容情報

人間は、中世までは森羅万象の支配者として生物界に君臨してきたかに思われた。だが、そうした思いこみは17世紀の微生物の発見とともに打ち砕かれる。地動説によって人間が宇宙の中心から片隅に追いやられたように、人間は生物界の片隅に追いやられてしまった。本書は数世紀にわたる生物学的発見によって、人間が進化系統樹の一本の小枝に成り果てていく過程を、生きいきと描いている。
不屈の精神によって細胞内共生説を提唱したリン・マーギュリス。膨大な数の生物標本の収集に遠い異国へと旅立ったアルフレッド・ウォレス。全生物種カタログ化計画の推進者ダン・ジャンセン。アリの背中に乗った甲虫を探索する見果てぬ夢を追いかけるカール・レッテンマイヤー……、実直な生物学者からマッドサイエンティストめいた昆虫学者まで、本書には多彩な顔ぶれが登場する。
彼らの人間味あふれる生き様から浮かび上がってくるのは、輝かしい成功者のイメージとはかけ離れた、不器用で世事に疎い職人気質の科学者像であり、著者はそんな先学たちに敬意と共感と愛情のこもったまなざしを向けている。研究に注ぐ彼らの狂気にも似た情熱とあくなき探求心は、多くの人々の共感を誘い、生きる勇気を与えてくれるだろう。

内容説明

若きリンネの探検旅行から深海・宇宙の生命探索にいたるまで未知の生物発見に生涯を捧げた科学者たちのおかしくて感動的な物語。

目次

第1部 はじまり(いにしえの知識;共通の名前;見えざる世界)
第2部 進化系統樹(使徒たち;全生物種カタログ作成計画;アリの背中に乗った甲虫を探して)
第3部 ルーツ(細胞内共生説;系統樹に枝を接ぐ;深海微生物の共生;生命の起源)
第4部 別の世界(宇宙を見上げて;隕石中に生物の痕跡?;群盲象を評す;果てしなき未知の世界へ)

著者等紹介

ダン,ロブ[ダン,ロブ][Dunn,Rob R.]
ノースカロライナ州立大学動物学部準教授。『ナチュラル・サイエンス』、『サイエンティフィック・アメリカン』、『BBCワイルドライフ』、『シード』などの一般向け科学誌で活躍する新進気鋭のサイエンスライターでもある。ノースカロライナ州ローリー市在住

田中敦子[タナカアツコ]
大阪大学文学部美学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Phycology

7
生物の中でも甲虫の種類がきわだって多いことを受けて、彼は答えた、「創造主たる神は、甲虫を偏愛されているのでしょう」と。(p128) 絶えず未知のものへの探求心だけで、生物学の発展に寄与してきた科学者たちの偏愛と情熱を熱く、興味深く語っているこの本は本当に素晴らしいと思います。MIcrobiology発見、細胞生物学、遺伝子のお話もナイスです。2010/07/11

斑入り山吹

5
素晴らしい本だ!意欲作。しかし、この題名はイカンと思う。原題だってこんなんじゃない。副題が正しいんだよな。副題を気に留めないで読んでしまったものだから、ああそういう話だったのね、と気付いたのは半分近くも読んでからだったよ。新説が出てきて受け入れられるかそうでないのか、歴史が証明する。後世になればあれが正しいのだ、とかトンデモだ、とか分かるけれど、その時代にいると分からないんだ、というのが実感できる話。生物学を外からではなく中から見ている視線が楽しい。もう一回強調するが、この本は素晴らしい!!!!2011/03/21

yooou

4
☆☆☆★★ とっても面白かった。リンネの逸話等これまで知らなかったことが沢山ありました。2011/08/07

やいまゎ

3
細胞共生説のリン・マーギュリス博士は2011年11月に73歳没、ノーベル賞は間に合わず!2012/07/12

みい⇔みさまる@この世の悪であれ

3
☆×4.5…ページ数は多めですが、それに見合うだけの充実感を得ることができました。表題に出てくるところの章もまた面白いのではありますが、私は深海に出てくる生物のところが非常に面白く感じました。前々から興味があったもので。まだまだ多くの生き物が名前すらない現代。もう研究はし尽くされたといいますが、まだまだだと思います。多分ほぼ「終わることのない」探求の世界だと思います。2010/09/10

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