出版社内容情報
人間は、中世までは森羅万象の支配者として生物界に君臨してきたかに思われた。だが、そうした思いこみは17世紀の微生物の発見とともに打ち砕かれる。地動説によって人間が宇宙の中心から片隅に追いやられたように、人間は生物界の片隅に追いやられてしまった。本書は数世紀にわたる生物学的発見によって、人間が進化系統樹の一本の小枝に成り果てていく過程を、生きいきと描いている。
不屈の精神によって細胞内共生説を提唱したリン・マーギュリス。膨大な数の生物標本の収集に遠い異国へと旅立ったアルフレッド・ウォレス。全生物種カタログ化計画の推進者ダン・ジャンセン。アリの背中に乗った甲虫を探索する見果てぬ夢を追いかけるカール・レッテンマイヤー……、実直な生物学者からマッドサイエンティストめいた昆虫学者まで、本書には多彩な顔ぶれが登場する。
彼らの人間味あふれる生き様から浮かび上がってくるのは、輝かしい成功者のイメージとはかけ離れた、不器用で世事に疎い職人気質の科学者像であり、著者はそんな先学たちに敬意と共感と愛情のこもったまなざしを向けている。研究に注ぐ彼らの狂気にも似た情熱とあくなき探求心は、多くの人々の共感を誘い、生きる勇気を与えてくれるだろう。
内容説明
若きリンネの探検旅行から深海・宇宙の生命探索にいたるまで未知の生物発見に生涯を捧げた科学者たちのおかしくて感動的な物語。
目次
第1部 はじまり(いにしえの知識;共通の名前;見えざる世界)
第2部 進化系統樹(使徒たち;全生物種カタログ作成計画;アリの背中に乗った甲虫を探して)
第3部 ルーツ(細胞内共生説;系統樹に枝を接ぐ;深海微生物の共生;生命の起源)
第4部 別の世界(宇宙を見上げて;隕石中に生物の痕跡?;群盲象を評す;果てしなき未知の世界へ)
著者等紹介
ダン,ロブ[ダン,ロブ][Dunn,Rob R.]
ノースカロライナ州立大学動物学部準教授。『ナチュラル・サイエンス』、『サイエンティフィック・アメリカン』、『BBCワイルドライフ』、『シード』などの一般向け科学誌で活躍する新進気鋭のサイエンスライターでもある。ノースカロライナ州ローリー市在住
田中敦子[タナカアツコ]
大阪大学文学部美学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Phycology
斑入り山吹
yooou
やいまゎ
みい⇔みさまる@この世の悪であれ