内容説明
京は東山のふもと、篠塚村のはずれで、自分の影に向かって必死の形相で木刀を振る少年の姿があった。少年の名は祇園藤次、悪辣非道な幕府の役人に父を惨殺され、仇討ちのために剣の修業に没頭する日々を送っていた。そんなある日、藤次は行雲と名乗る鞍馬山の老僧から教えを受けることになった。山中での想像を絶する荒修業の末、鬼一流の秘太刀を伝授された藤次に、ようやく悲願成就の日が訪れたが…。息を呑む迫力で展開する傑作長編。
著者等紹介
郡順史[コオリジュンシ]
東京生まれ。明治大学卒。雑誌編集者として活躍、その後、山手樹一郎の知遇を得、作家へ転進。日本文芸家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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