内容説明
クールジャパンという言葉には、余りにも多くの事実誤認、曲解、願望による勝手な解釈がまかり通っている。本書では、それら様々なあまりにも重大な「ボタンの掛け違い」を一から紐解いていく。
目次
第1部 クールジャパンと敗戦(アニメも反日も貪る中韓;戦後言論空間とソフト・パワー)
第2部 クールジャパン戦略が失敗する本当の理由(クールコリアの嘘、クールジャパンの嘘;秋葉原はアニメの街でも保守の聖地でもない;本当のクールジャパンとは何か)
著者等紹介
古谷経衡[フルヤツネヒラ]
評論家/著述家。昭和57年(1982年)北海道生まれ。立命館大学文学部史学科卒業。ネットと「保守」、マスコミ問題、アニメ評論など、多岐に渡る分野で執筆活動を行なっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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テツ
28
クールジャパン。政府が音頭を取ると何故こんなにも失敗してしまうのか。確かに日本の漫画やアニメは高品質なのかもしれない。でもそれをいくら宣伝し輸出したところで、反日感情を抱く国が変わるわけがない。確かに文化って強いんだ。優れた文化は武器になる。しかしそれは国が主導し「我が国はこんなに素晴らしいんですよ」と声を大にしてアピールするところから生まれるものではない。日本の文化の素晴らしさ。ひいては日本の素晴らしさがあるんだとしたら、それは無理に作り上げるのではなく、自然と醸し出されるシロモノなんだろう。2019/01/30
カインズ
4
【フールに語られるクールジャパン】クールジャパンの定義は曖昧、アニメのことを知らない有識者が入っているという状況で始まったクールジャパン推進会議の様子に思わず苦笑してしまった。ハードパワーを排除したソフトパワーで海外の対日感情を変えるという考え方の背後に、現実的な安全保障が出来ないことの言い訳として耳障りの良い言葉を並べているだけとの説明にも納得がいく。結局、安きにながれてしまっているから、こんなくだらないことになっているのだろう。2014/06/05
みじんこ
3
クールジャパンの指針、考え方がいかにお粗末な物かが語られる。ソフト・パワーの曲解や、日本のアニメ等が中韓の反日感情を和らげる効果を全く持っていないことを、データも示しつつ日本での韓流の例を挙げて解説した話は納得がいった。アニメや秋葉原の話も相当ページを割いて説明しているのも面白かった。それにしても、ゴスロリは十二単が起源ではないことは普通に考えても分かるはずだが大臣…著者は最後にクールジャパンの定義づけを行っている。日本的な事物を殊更強調しなくても、自然と日本の良さは外国人に伝わっているという意見に賛成。2015/02/17