内容説明
「在特会」問題で世論を沸騰させた「ネット右翼」。排外主義とレッテル貼りするまえに、いまやごくふつうの日本人でさえ抱くようになってしまった「嫌韓」感情の背景こそ、直視しなければならない。約千人にのぼるアンケート調査、取材によりネット右翼の虚像と実像を若き論客が徹底検証する。
目次
第1章 政治家と「ネット右翼」
第2章 『電車男』の罪
第3章 「ネット右翼」の実相
第4章 「在特会問題」と保守
第5章 「嫌韓」思想と新保守論
付録 超「ネトウヨ(笑)」対談VS三橋貴明
著者等紹介
古谷経衡[フルヤツネヒラ]
1982年北海道札幌市生まれ。立命館大学文学部史学科卒。インターネットラジオ・パーソナリティやイニメ批評ブログを手がける傍ら、2010年に出演したNHK討論番組が話題に。以降、CS放送やインターネット番組への出演、執筆、街頭演説などその活動領域は多岐に及ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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だろん
5
捏造・偏向は現代社会の体制側となった既存メディアのお家芸。NHKもテレ朝も、若手のオピニオンというとリベラルな古市憲寿や荻上チキ、津田大介の3氏ばかり重用しないで、古谷経衡氏あたりも討論番組にだせばいいのに…出しちゃだめなん?w ここいらにネット右翼と呼ばれる方々のコアがあるんだろうね…2015/01/13
MAT-TUN
5
元週刊文春の花田編集長がオススメしていたので読んでみた。著者は写真を見るとだらしが無いがなかなか鋭い。ネット=社会的底辺者というネガティブイメージを広めた「電車男」の罪深さを指摘する。そこで著者は実際に、1000人を超える人を調査し、果たしてネット=社会的底辺者は誤りであったことを実証している。嫌韓≠レイシズムである点をきっぱり言い切っており、民主党議員のレイシズム糾弾運動の倒錯を歴史をふまえて説明している点、読み応えがあります。2013/10/21
ぷれば
3
「ネット右翼」・「ネトウヨ」を巡る言論の多くがあまりに異様で、その点検ならびに考察を目的に本書を、とあとがきにある通り、紙数がかなり割かれている。もっとも興味深かったのは第5章「嫌韓思想と新保守論」。政治家の中に「保守」を標榜しつつ、彼国に対していまだに親○的な態度が見え隠れし不思議でしかたなかったが、冷戦時代からの歴史を鑑み、なるほどと思った。(肯定ではありません)2015/01/23
そらいろ
2
【図書館】フジテレビデモにも参加した著者による、約千人の回答から得たネトウヨ分析と考察。秋葉原への認識の変貌と麻生さん、ネトウヨとインターネットと2ちゃんねるの関係、邦画からみるネトウヨ像と実相、「はやぶさ」報道が転機だったメディアへの不信感、在特会、新旧保守の違い、左翼の批判は「嫌韓」にのみ特化、等。印象的なのは、メディアと視聴者との「皮膚感覚の乖離」、「変わったのは韓国」、ネットは「逃避ではなく避難」、対談「在特会はリアルウヨ」。文章がくどく辟易したけど、自分が見てきた事と合致していて面白く読めた。2013/11/16
yomihajime
2
筆者はネトウヨというサヨクが貼ったレッテル(非モテ、低学歴、低 収入、社会的底辺)様々な資料や論拠ではがしていく。その執念はすごい。ネトウヨのこの4つの属性がそれが事実であろうがそうでなかろうが関係ないと思う。サヨクと持たざるものの不幸な関係という現代日本の奇妙な表象を考えさせてくれた。2013/07/04