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特集 ウィトゲンシュタインと実存思想(趣意文;空間・時間・自由;引き受けえないものを不当に引き受けること―『論考』を実存主義風に読むと;まだ説明は終わっていない―意思の自由をめぐるウィトゲンシュタインの思考;「可能的なもの」と「パースペクティヴ」の哲学者としてのウィトゲンシュタイン)
応募論文(西田幾多郎の根本経験;ショーペンハウアーの餓死論;『歎異抄』における善悪の問題;自由と責任―キルケゴール倫理思想とその現代的展開の可能性)
書評(森一郎著『世代問題の再燃―ハイデガー、アーレントとともに哲学する』『ハイデガーと哲学の可能性―世界・時間・政治』;小田切建太郎著『中動態・地平・竃―ハイデガーの存在の思索をめぐる精神史的現象学』;串田純一著『ハイデガーと生き物の問題』;大橋良介著『共生のパトス―コンパシオーン(悲)の現象学』
岡田紀子著『まど・みちお詩論―ハイデガー哲学の視座から』
鬼頭葉子著『時間と空間の相剋―後期ティリッヒ思想再考』)
感想・レビュー
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冒頭の野矢論文が非常に面白く読める。文中でその名が挙げられてはいないが、この論文を読んで初めてベルクソンの仕事の意義が理解できたと感じた。「空間」とは「可能性の総体」なのである。 また、後半部の行為論において取り上げられている事例がまた非常に面白い。私たちは行為について、思考がまず存在し、続いてそれを実行する行為が行われるという風に考えがちである。しかし、ここで取り上げられている「道具の使用」や「絵画の製作」という行為は、そのような「思考―行為」というモデルでは捉えることができない。これらの例は、行為…2025/07/30