内容説明
本書ではエックハルトの思想の特徴や全体像を紹介するとともに、パリ大学での命題集講義を検討し、未完の『三部作』の聖書注解を通して主要概念である始原論を考察、さらに「思想の歩みの未曽有の高揚」とも言われる「ラテン語説教」を分析した。最後に異端の嫌疑に真正面から反論した『弁明書』を訳出し、エックハルトの拠って立つ基盤を明らかにした。読者は本書を通してエックハルトの思索の深さとその独自性に触れるであろう。
目次
1 序章(奥義の知解;神は存在である)
2 『命題集コラチオ』の解釈の試み―リカルドゥス・コルヌビエンシスとの比較において(「神の本性」:「本質的属性」と「ペルソナ的属性」;「天球の高さ」:「測られたる高さ」と「測られざる高さ」 ほか)
3 始原論(『三部作』、『創世記注解』と『ヨハネ福音書注解』;『創世記注解』における「始原」 ほか)
4 論評『ラテン語説教集』(ラテン語説教の卓越性;全ラテン語著作のなかでの位置づけ ほか)
5 『弁明書』再考(解説;弁明書 ほか)
著者等紹介
中山善樹[ナカヤマヨシキ]
1950年京都市に生まれる。1974年京都大学文学部哲学科卒業。1976年同大学院修士課程修了。1987‐89年、94年アレクサンダー・フォン・フンボルト財団奨励研究員としてケルン大学トマス研究所に研究留学。現在、同志社大学名誉教授。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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