内容説明
パウロは熱烈なユダヤ教徒だったが、キリスト教に改宗した。彼は初め他の使徒たちとともにユダヤ人に福音の宣教をするが、ユダヤ人のキリスト教徒や使徒たちの無理解と迫害を受け、それを機に異邦人たちへの伝道に旅立った。彼はガラテアの地で多難な経験をしつつ、律法への執着を断ち、受難者キリストの福音に導こうと格闘する。トマスは本註解で、その実態に迫りつつ、キリストの福音を伝える彼の思いを生き生きと紹介し、キリスト教信仰の本質を考察する。律法と福音の強い緊張下で、新たなヘレニズム世界のもとにある異邦人たちに、パウロはどのように福音の意味を説明し、説得していったのか。ガラテア書は使徒パウロの苦心のはたらきを見事に伝えるとともに、ユダヤ教を超えてキリストの受難の意味を通して、福音の真実を解き明かし、キリスト教の意義を明らかにする。
著者等紹介
磯部昭子[イソベアキコ]
1954年生まれ。1975年早稲田大学理工学部中退。1983‐85年ハーバード大学にて聴講生。1989年名古屋大学大学院哲学科修士課程修了、1992年南山大学大学院博士課程修了。中部大学、淑徳大学、椙山女学園大学、愛知学院大学などでラテン語、哲学を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。