内容説明
トマスの「エッセ」(存在)について、研究が遅れていたトマスのアリストテレス註解書『命題論註解』と『形而上学註解』を検討し新たな解釈を提示する。エッセの定動詞estや派生語の「エンス」(存在するもの)、「エッセンチア」について、『神学大全』や『真理論』などとアリストテレス註解書を照合し、それぞれの概念の意味を考察するとともに、「エッセ」が「存在」だけでは捉えられないことを明らかにする。
目次
序論
第1章 20世紀のトマス研究
第2章 定動詞estについて―『命題論註解』1巻5講
第3章 エンスの学としての形而上学―『ボエティウス三位一体論註解』
第4章 エンスとは何か1―『真理論』1問1項
第5章 エンスとは何か2―『形而上学註解』
終章 エッセとは何か
付論 可能態と現実態
著者等紹介
古舘恵介[フルダテケイスケ]
1983年生まれ。北海道大学文学部卒業。北海道大学大学院文学研究科博士後期課程単位修得退学。博士(文学)。現在、北海道科学大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。