内容説明
教父とは1、2世紀から8世紀にわたり、信仰と教説の正統性、その生涯の聖性、それと教会の公認を得た人たちである。キリスト教成立以降、キリスト教公認、それに続く神学論争を経て三一神の正統教義確立に至るまで、教父たちはどのような働きをしたのか。ギリシア哲学を踏まえ教父を考察した画期的な業績。
目次
第1部 カッパドキア教父研究・序説(ウーシアー論の展開として見た三位一体論・序説;バシレイオスのウーシアー・ヒュポスタシス論;バシレイオス『聖霊論』におけるプロティノスの影響 ほか)
第2部 ギリシア教父思想の諸相(洞窟に降り来った太陽―教父思想への「洞窟の比喩」の影響史;プラトン主義と神化思想の萌芽―東方教父思想における「神に似ること」概念の変容;教父哲学におけるオイコノミア ほか)
第3部 マカリオス文書研究(擬マカリオスにおける魂浄化の三段階;ニュッサのグレゴリオスと擬マカリオス―De instituto christianoとEpistola magnaをめぐる序説的概説;マカリオス文書におけるπληροφορια概念の意義―信仰の真理性に関して4世紀東方教父は何を語り得たのか ほか)
著者等紹介
土橋茂樹[ツチハシシゲキ]
1953年東京生まれ。1978年上智大学文学部卒業。1988年上智大学大学院哲学研究科博士後期課程単位取得満期退学。上智大学哲学科助手、オーストラリア・カトリック大学・初期キリスト教研究所客員研究員を経て、中央大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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