人文学概論―人文知の新たな構築をめざして (増補改訂版)

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人文学概論―人文知の新たな構築をめざして (増補改訂版)

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  • サイズ 46判/ページ数 312p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784862852717
  • NDC分類 002
  • Cコード C3010

出版社内容情報

本書は,文学や思想,歴史など人文学系の学習を始める新入生が,専門分野を超えて最低限の知識,素養として習得すべき内容を簡潔にまとめたものです。
学問の専門化が極度に進み,教員も学生も自分の専門分野のことしか考えない傾向がありますが,学問はつねに全体を視野に入れつつ,具体的な事柄を正確に認識し判断を構成するものです。とりわけ人文学は人間と文化を総合的に探究する学問であり,それに伴う膨大な見識を養うことが肝要です。そのためにも人文学の基盤的な知識の習得は4年間の勉学を稔りあるものにするうえで,おろそかにできません。
高等学校までの「知識を授けられる教育」と異なり,問題を見いだし,それに答えていこうという「自立的思考の訓練」をめざす大学教育は,人格の形成と市民的教養の涵養という人間力を高めるうえで,実用的な学問や資格の取得に勝るとも劣らない営みなのです。
前半では教養や人間性を基礎とする人文学の歴史を,後半では主題ごとに人文学の対象や方法を分かりやすく説明した,他に類のない画期的な概論です。
最終章を中心に大幅な改訂を行い,デジタル化やAI技術が急速に展開するなか,総合的判断力を養う人文学の狙いをさらに深化させた定評の教科書です。

まえがき

  人文学の歴史と現状

01 「人文学の終焉」からのスタート
 「人文主義の終焉」――ペーター・スローターダイクの問題提起
 人文主義と人文学
 人文学と教養
 人文学部と文学部
 中世の大学と人文学
 人文学の中心課題
 「パンのための学問」と人文学

02 ギリシアにおける学知の誕生
 ミュトスからロゴスヘ
 ソクラテスにおける「哲学の人間学的転回」
 プラトンとイデアの学説
 アリストテレスの学問体系
 真理探究と師弟関係

03 パイデイアとヨーロッパ的教養の伝統
 パイデイアとは
 フマニタス,自由学芸
 リベラル・アーツの理念

04 知識人の覚醒と大学の誕生
 革新の12世紀
 12世紀ルネサンスの背景
 12世紀の知識人とアベラール
 大学の誕生

05 ルネサンス人文主義と「フマニタス研究」
 ヒューマニズム
 フマニタス研究
 ルネサンス人文主義
 北方人文主義とエラスムス
 エラスムス的人文主義と「文芸共和国」の理想

06 「フンボルト理念」と近代的大学の理想
 近代知のパラダイムと新しい大学の誕生 73
 フンボルトの大学理念孤独と自由 75
 学問による教養/研究を通じての教育 80
 自立的思考の練成場としてのゼミナール

  人文学の諸相

07 人間と文化
 文化とは何か
 「文化」と「文明」の対立
 クルトゥール・カルチャー・文化
 人間と文化
 異文化との出会いと知的覚醒

08 言語と芸術
 「シンボルを操るもの」(animal symbolicum)
 ミメーシス
 言語
 芸術の原理としての表象性
 言語芸術としての文学

09 神話・宗教・祝祭
 神話
 宗教とは何か
 絶対依存感情とヌミノーゼ
 「究極的関心」と実在の自己実現
 祝祭

10 時間・記憶・歴史
 時間
 存在と時間
 記憶
 記憶と忘却
 記憶の媒体と記憶の大変動
 歴史

11 原典と翻訳
 人文学にとっての原典の意義
 翻訳とは何か
 翻訳の実際
 「文人の翻訳」と「学人の翻訳」
 文化の翻訳

12 文献学と解釈学
 フィロロギーと文献学
 解釈学とは何か
 解釈学の命題
 古典を学ぶ意義

13 書籍と図書館
 図書館とアーカイブズ
 博物館・美術館
 アレクサンドリア図書館
 セプトゥアギンタの翻訳
 パピルスから羊皮紙へ
 中国における図書館
 中世西欧の修道院
 イスラーム世界における図書館
 ルネサンスと宗教改革期の図書館
 近現代の図書館
 納本制度と国立国会図書館
 デジタル図書館・美術館の出現

14 情報とメディア
 メディアとは何か
 情報と知識基盤社会
 インターネット
 デジタル人文学?
 クリティカとトピカ

15 「認識されたものの認識」としての人文知
 人文学の非実用的有用性
 研究大学・人文科学・人文学
 グローバル化時代の「新しい人文学」
 文献学への回帰
 「認識されたものの認識」――文献学を基盤とする人文学
 「いっそう文雅なる学問」の行方

補遺 人文学研究とその方法
ディルタイと「精神科学」
西南学派と「文化科学」
人文学の方法
人文学の学問性

あとがき
人文学に関連する文化史年表
主要文献解題
索引

安酸敏眞[ヤスカタトシマサ]
著・文・その他

内容説明

本書は、文学や思想、歴史など人文学系の学習を始める新入生が、専門分野を超えて最低限の知識、素養として習得すべき内容を簡潔にまとめたものです。人文学は人間と文化を総合的に探究する学問であり、それに伴う膨大な見識を養うことが肝要です。前半では教養や人間性を基礎とする人文学の歴史を、後半では主題ごとに人文学の対象や方法を分かりやすく説明した、他に類のない画期的な概論です。最終章を中心に大幅な改訂を行い、デジタル化やAI技術が急速に展開するなか、総合的判断力を養う人文学の狙いをさらに深化させた定評の教科書です。

目次

人文学の歴史と現状(「人文学の終焉」からのスタート;ギリシアにおける学知の誕生;パイデイアとヨーロッパ的教養の伝統;知識人の覚醒と大学の誕生;ルネサンス人文主義と「フマニタス研究」 ほか)
人文学の諸相(人間と文化;言語と芸術;神話・宗教・祝祭;時間・記憶・歴史;原典と翻訳 ほか)

著者等紹介

安酸敏眞[ヤスカタトシマサ]
1952年生まれ。京都大学大学院博士課程およびヴァンダービルト大学大学院博士課程修了。Ph.D.、京都大学博士(文学)。北海学園大学学長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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toiwata

3
欧州の大学は、本来、このような設計思想だったのかということを知って、衝撃に近い驚きを覚えている。”そこから最後の帰結も生じる。すなわち, 学問研究の自由 (教える自由と学ぶ自由) ということである。” p. 792020/05/13

ぶんもう

2
存亡の機に瀕する人文学を著者は文献学(フィロロギー)の立場から擁護する。これまでの人文学はフマニタス=人間形成が統合理念として機能したが、極めて西洋的で、グローバルな現代では大きく揺らいでいる。サイードが「文献学への回帰」を訴えたのは、精読・読解による閃くような理解こそが人文学・文献学の立ちもし倒れもする根本原理だからだ。文献を精読して「認識されたものの認識」を行う人文学は、自己再帰的で温故知新の学問である。クリティカ的な知が幅を利かせてきたが、「新しい人文学」のためにトピカ的な知を復活させる必要がある。2020/04/29

佐倉惣五郎

1
「認識されたものの認識」──「古人の跡をもとめず、古人のもとめたる所をもとめよ」(空海) 07以降は単語の定義&引用ばかりで少々つまみ食いすぎる気もしたが、そもそも膨大な人文学というものの概論を一冊の本という形で読めることに大きな意味があると思った。初見の人物も多く、人文学への足がかりとしても素晴らしい良書。2023/06/21

ざっきい

1
そういえば概論って知らないなと思い読んだ本。2014年出版、その後増補改訂されている。自然科学でも社会科学でもない人文学(伝統的には哲·歴·文とされる範囲?)の概論。その目指すところは人間の理解であり、主な手法は文献学と解釈学である、という紹介と、人文知は科学知に劣らず重要である、という主張がなされている。面白いが、神経学や生物学、経済学から切り崩しにあい、かつこの自由主義、民主主義的感覚と齟齬をきたしそうな感覚はなるほど人文学の現状もやむなしと思わせる。2020/06/13

Orange

0
昨今の大学では実学が尊ばれ、人文学は軽視されているとのことで、これは由々しき問題ではないか。人が困難に見舞われ、極限状態に置かれたとき、艱難辛苦に耐える能力は教養に依っていると思うのだがどうか。どのような状況であっても、人らしく振る舞うために、この学問が必要ではないのか。2020/03/22

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