人文学概論―新しい人文学の地平を求めて

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  • サイズ B6判/ページ数 277p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784862851925
  • NDC分類 002
  • Cコード C3010

出版社内容情報

本書は,文学や思想,歴史など人文学系の学習を始める新入生が,専門分野を超えて最低限の知識,素養として習得すべき内容を簡潔にまとめたものです。
かつて教養科目が講じられていた時代は,各分野に定評の概論書がありましたが,今日ではこの種の概論は講義や書店からも姿を消してしまいました。
学問の専門化が極度に進み,教員も学生も自分の専門分野のことしか考えない傾向がありますが,学問はつねに全体を視野に入れつつ,具体的な事柄を正確に認識し判断を構成するものです。とりわけ人文学は人間と文化を総合的に探究する学問であり,それに伴う膨大な見識を養うことが肝要です。そのためにも人文学の基盤的な知識の習得は4年間の勉学を稔りあるものにするうえで,おろそかにできません。
高等学校までの「知識を授けられる教育」と異なり,問題を見いだし,それに答えていこうという「自立的思考の訓練」をめざす大学教育は,人格の形成と市民的教養の涵養という人間力を高めるうえで,実用的な学問や資格の取得に勝るとも劣らない営みなのです。
前半では教養や人間性を基礎とする人文学の歴史を,後半では主題ごとに人文学の対象や方法を分かりやすく説明した,他に類のない画期的な概論です。

まえがき

人文学の歴史と現状
01 「人文学の終焉」からのスタート
「人文主義の終焉」――ペーター・スローターダイクの問題提起/人文主義と人文学/人文学と教養/人文学部と文学部/中世の大学と人文学/人文学の中心課題/「パンのための学問」と人文学
02 ギリシアにおける学知の誕生
ミュトスからロゴスヘ/ソクラテスにおける「哲学の人間学的転回」/プラトンとイデアの学説/アリストテレスの学問体系/真理探求と師弟関係
03 パイデイアとヨーロッパ的教養の伝統
パイデイアとは/フマニタス,自由学芸/リベラル・アーツの理念
04 知識人の覚醒と大学の誕生
革新の12世紀/12世紀ルネサンスの背景/12世紀の知識人とアベラール/大学の誕生
05 ルネサンス人文主義と「フマニタス研究」
ヒューマニズム/フマニタス研究/ルネサンス人文主義/北方人文主義とエラスムス/エラスムス的人文主義と「文芸共和国」の理想
06 「フンボルト理念」と近代的大学の理想
近代知のパラダイムと新しい大学の誕生/フンボルトの大学理念――孤独と自由/学問による教養/研究を通じての教育/自立的思考の練成場としてのゼミナール

人文学の諸相
07 人間と文化
文化とは何か/「文化」と「文明」の対立/クルトゥール・カルチャー・文化/人間と文化/異文化との出会いと知的覚醒
08 言語と芸術
「シンボルを操るもの」(animal symbolicum)/ミメーシス/言語/芸術の原理としての表象性
09 神話・宗教・祝祭
神話/宗教とは何か/絶対依存感情とヌミノーゼ/「究極的関心」と実在の自己実現/祝祭
10 時間・記憶・歴史
時間/存在と時間/記憶/記憶と忘却/記憶の媒体と記憶の大変動/歴史
11 原典と翻訳
人文学にとっての原典の意義/翻訳とは何か/翻訳の実際/「文人の翻訳」と「学人の翻訳」/文化の翻訳
12 文献学と解釈学
フィロロギーと文献学/解釈学とは何か/解釈学の命題/古典を学ぶ意義
13 書籍と図書館
図書館とアーカイブズ/博物館・美術館/アレクサンドリア図書館/セプトゥアギンタの翻訳/パピルスから羊皮紙へ/中国における図書館/中世西欧の修道院/イスラーム世界における図書館/ルネサンスと宗教改革期の図書館/近現代の図書館/納本制度と国立国会図書館/デジタル図書館・美術館の出現
14 情報とメディア
メディアとは何か/情報と知識基盤社会/インターネット/デジタル人文学?/クリティカとトピカ
15 新人文学/新人文主義のゆくえ
人文学の現代的境位/新人文主義の多義性/サイードと「新しい人文学」/文献学への回帰/理解の突如性/新人文学/新人文主義のゆくえ
補遺 人文学研究とその方法
ディルタイと「精神科学」/西南学派と「文化科学」/人文学の方法/人文学の学問性

あとがき/人文学に関連する文化史年表/主要文献解題/索引

安酸敏眞[ヤスカタトシマサ]
著・文・その他

内容説明

本書は、文学や思想、歴史など人文学系の学習を始める新入生が、専門分野を超えて最低限の知識、素養として習得すべき内容を簡潔にまとめたものです。

目次

人文学の歴史と現状(「人文学の終焉」からのスタート;ギリシアにおける学知の誕生;パイデイアとヨーロッパ的教養の伝統;知識人の覚醒と大学の誕生;ルネサンス人文主義と「フマニタス研究」;「フンボルト理念」と近代的大学の理想)
人文学の諸相(人間と文化;言語と芸術;神話・宗教・祝祭;時間・記憶・歴史;原典と翻訳;文献学と解釈学;書籍と図書館;情報とメディア;新人文学/新人文主義のゆくえ;人文学研究とその方法)

著者等紹介

安酸敏眞[ヤスカタトシマサ]
1952年生まれ。京都大学大学院博士課程およびヴァンダービルト大学大学院博士課程修了。Ph.D.,京都大学博士(文学)。現在、北海学園大学人文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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jabrafcu

9
ドイツ思想が専門である著者による人文学の概論書・教科書。単独での著述のため,多岐にわたる専門分野とその基礎となる学問についての書物でありながら,全体の見通しがよい。前半ではサイード『人文学と批評の使命』でも目指すべき価値とされた教養/人間性 humanitas の涵養としての人文学 humanities の歴史を描き,後半では人文学の方法やとりまく環境の諸相を論じる。そのように古きを温めることによりこれからの人文学のあり方を考えていく著者の姿勢は,それ自体が人文学のお手本である。 2017/06/11

ぽっか

4
だいぶ前、京都・一乗寺の恵文社で見つけて、だいぶ前、読み終わって、だけど感想がまとめられなくて放置してた本。こまかい内容はかなりの部分忘れてしまったけど、情報と知識の違いを言っていたのはこの本だっけか?(自信ない……)知識とは、体系的な知のなかに位置付けられるもの、意味づけられるもの。専門分野が極度に細分化されてしまっている現在、せっかくの知識が情報化してしまっている。それらをふたたび大きな知の体系の中で有機的に関連づけられたら。2019/08/19

ヨシツネ

1
温故知新、解釈学と現象学が可能性は例えばグリム童話の解釈学として利用できる2020/03/09

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