出版社内容情報
文献学者であったニーチェは,文献学と哲学の両面にわたる思想の大きな変動を試みた。古代ギリシアという文献学的な主題を手がかりに,合理性や理性に立脚する伝統的な哲学に挑み,旧弊な伝統を打破した。その自己保存的であると同時に自己破壊的な,矛盾する強大な力から自身を護るため形成された「仮象」=芸術的世界を通しニーチェの思考を近代哲学の流れに位置づけ,破壊力と創造性の射程を見極める。気鋭の著者による新しいニーチェ論。
序章 ニーチェのスタイル――表層の哲学をめぐって
序
一 表層の思想
二 ニーチェの文体と弁論術
三 ニーチェと文献学
? 文献学・修辞学・歴史学――初期ニーチェにおける言語と歴史
序 差異化と統合
一 文献学と歴史的媒介
二 『悲劇の誕生』と文献学の哲学化
三 修辞学と歴史学
結語
(コラム)山口誠一訳著『ニーチェ『古代レトリック講義』訳解』書評
? 仮象の論理――『悲劇の誕生』における芸術論と形而上学
序 理性と非理性
一 『悲劇の誕生』の論理構造
二 芸術論と仮象の論理
三 根源の叙述
結語 神話の死と解釈の誕生
? 「喜ばしき知恵」と肯定の思想――ニーチェの美学=感性論と哲学のドラマ
序 「実存の美学」に寄せて
一 美の現象論
二 仮象と真理
三 仮象と系譜学
結語 「喜ばしき知恵」に向けて
(コラム) 友よ,この響きではなく!
? 力への意志・モナド論・解釈学――遠近法主義と系譜学
序 生の哲学とニーチェ
一 力への意志と解釈
二 多元的世界と地平性の洞察
三 遠近法と歪曲遠近法(アナモルフォーズ)
? 仮象としての世界――ニーチェにおける現象と表現
序 表現と像の論理
一 「力への意志」における力と知
二 遠近法的地平と仮象
三 仮象の自己肯定としての永劫回帰
結語
? 仮象の文献学と永劫回帰――仮面・像・反復
序 皮膚と仮面の哲学
一 「仮象」の自己生成と像の演劇術(ドラマトゥルギー)
二 仮象のエクリチュール
三 仮象論から永劫回帰へ
あとがき
初出一覧/索引
村井則夫[ムライノリオ]
著・文・その他
内容説明
舞踏するニーチェ!その表現の深層に迫る。
目次
序章 ニーチェのスタイル―表層の哲学をめぐって
1 文献学・修辞学・歴史学―初期ニーチェにおける言語と歴史
2 仮象の論理―『悲劇の誕生』における芸術論と形而上学
3 「喜ばしき知恵」と肯定の思想―ニーチェの美学=感性論と哲学のドラマ
4 力への意志・モナド論・解釈学―遠近法主義と系譜学
5 仮象としての世界―ニーチェにおける現象と表現
6 仮象の文献学と永却回帰―仮面・像・反復
著者等紹介
村井則夫[ムライノリオ]
1962年東京に生れる。上智大学文学部哲学科卒業後、上智大学大学院哲学研究科博士課程満期退学。現在、明星大学人文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
K.H.
ルートビッチ先輩
Yuki