出版社内容情報
キリスト者の現実の生活における究極の事柄は「愛(アガペー)」である。パウロの『コリントの信徒への手紙1』の13章はそのテーマを最も象徴的に表現したものであり,文字通り〈愛の賛歌〉にほかならない。
本書はこの13章を徹底的に考察することにより,愛の終末論的意味とその根本構造を鮮やかに浮かび上がらせる。?コリント書のなかにおける13章の位置づけをはじめ他の章との関係をも詳細に検討する。さらにアガペーに関する陳述の構造を分析することにより愛の本質的相貌を解明すると同時に,それがイエス・キリストの相貌に他ならないことを明らかにする。そこではイエス・キリストにおいて聖霊によって啓示された神の愛が語られている。
このテキストは重点的,総合的に考察されることが少なかったがヨハネ福音書注解を達成した著者が,本格的にイエス・キリストの愛を捉えた意欲的な作品である。
序
前置き
§1 第?コリント13,4-7:アガペーの本質の陳述
§2 アガペーという主題の導入(1-3節)
§3 4-6節のテキストのゲシュタルト(形態)分析
?方法論的予備考察
? 4-6節のゲシュタルト(形態)分析
§4 アガペーを境界づける「ない」という否定(4-6節)
§5 個々の文成分への注釈(4-6節)
? 肯定文(「愛は真実を(とともに)喜ぶ」/真実の対立としての不義(adikia)/受容としての寛容と優しさ/「愛は寛容である」/「愛は優しい」)
? 否定文(「愛は妬まない」/「愛は自分のことを求めない」/「愛は悪を根に持たない」/他の否定文)
§6 愛のDunamis(力)(7節)
§7 「わたくしがまったく知られているごとく」(8-13節)
付論 ?コリント8,1b-3
イエスのアガペー
伊吹雄[イブキユウ]
著・文・その他
内容説明
パウロの『』コリントの信徒への手紙1』の13章を徹底的に考察。
目次
1 第1コリント13、4‐7:アガペーの本質の陳述
2 アガペーという主題の導入(1‐3節)
3 4‐6節のテキストのゲシュタルト(形態)分析
4 アガペーを境界づける「ない」という否定(4‐6節)
5 個々の文成分への注釈(4‐6節)
6 愛のDunamis(力)(7節)
7 「わたくしがまったく知られているごとく」(8‐13節)
付論 1コリント8、1b‐3
著者等紹介
伊吹雄[イブキユウ]
1932年東京に生まれる。慶応義塾大学哲学科卒。同修士課程中退。上智大学ラテン語哲学科修了。1963年ボン大学カトリック神学部卒業。65年ケルン大神学校卒業後、ボン大学でDoctorandとなる。72年ボン大学より神学博士号を授与。上智大学、慶応大学の非常勤講師を経て76年成蹊大学経済学部教授(ドイツ語)、87年東京都立大学教授(哲学、倫理学、大学院兼担)。96年定年退官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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