内容説明
本書はその完成度と浩瀚さ、さらにその思想と表現の豊かさで、ドイツ語著作を含め全著作中の主著である。エックハルトの聖書註解は、少数の聖句を「哲学者の自然的論証」によって解釈し、字義的意味の背後に隠されている比喩的霊的意味を明らかにすることが課題であり、本書では始原論と受肉論が展開される。
目次
「すべてのものがそれ(言葉)によって生じた」(三節)
「そして三日目に、ガリラヤのカナにおいて婚宴が行われた」。
「パリサイ人のうちにひとりの人がいた」、そして以下において、「この人は夜にイエスのところに来た」等々(一、二節)。
「イエスは知ったときに」、さらに以下において、「この水を飲んだすべての人は再び渇くであろう。しかし私が与える水を飲んだ人は永遠に渇くことはないであろう」(一三節)
「こののちにユダヤ人たちの祭の日があった」。
「このことの後、イエスは湖を越えて〔対岸へ〕行った」等々、さらに以下において、「彼らが約二十五ないし三十スタディウムの距離を漕ぎ出したとき」(一九節)
「この後、イエスはガリラヤを巡っておられた」、さらに以下において、「私の教えは私のものではなく、私を遣わした方のものである」(一六節)
「しかしイエスは山へ行かれた」、さらに以下において、「二人の証言は真実である」(一七節)
「そしてイエスは通りすがりに、ひとりの人を見られた」(一節)
「まことに、まことに、私はあなたがたに言う、門から入らない者は」、さらに以下において、「私は、彼らが生命を持つように、豊かに持つように来た」(一〇節)〔ほか〕
著者等紹介
中山善樹[ナカヤマヨシキ]
1950年京都市に生まれる。1974年京都大学文学部哲学科卒業。1976年同大学院修士課程修了。1987‐89年、94年アレクサンダー・フォン・フンボルト財団奨励研究員としてケルン大学トマス研究所に研究留学。現在、同志社大学文学部教授。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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