内容説明
コンピュータは人間の精神機能を拡張する道具として20世紀半ばに登場し、インターネットの発達とあいまって私たちに計り知れない便益と、時間的・空間的な制約を超える飛躍的な手段を提供した。インターネット上に成立したサイバー空間は、日常生活から経済、政治、文化やモラルにわたって広範な影響を与え、私たちが歴史的に育んできた考え方や生き方を根本から大きく変えつつある。しかしこのサイバー空間の多様で広大な現象の全体像を捉えるのは非常に困難である。サイバー空間とは何か、それが現実空間にどのように作用しているか、そしてこの現実を踏まえて私たちの現実空間をどのように再構築し、サイバー空間との共生を実現するか。著者はこれら一連の問いに答えつつ、IT社会のための基本素養であり基礎的能力ともなるサイバーリテラシーを明快に解説、グローバル化したIT世界の生き方を示す。
目次
第1部 サイバーリテラシーとは何か
第2部 インターネットの発達とサイバー空間の変容
第3部 Web2.0 万人がサイバー空間の住人となる時代
第4部 現実世界の変容とサイバーリテラシー
第5部 サイバーリテラシーと情報倫理
第6部 IT社会と私たちの生き方
補論 「総メディア」社会のリテラシー
著者等紹介
矢野直明[ヤノナオアキ]
サイバー大学IT総合学部教授。情報セキュリティ大学院大学客員教授。1942年生まれ。東京大学文学部社会学科卒。1966年に朝日新聞社入社。盛岡支局を振り出しに佐世保支局、福岡総局、西部本社社会部、同整理部を経て、1979年に出版局『アサヒグラフ』編集部員。1988年、『ASAHIパソコン』を創刊して初代編集長に。『月刊 Asahi』編集長のあと、1995年から出版局デジタル出版部長兼『DOORS』編集長。1997年から調査研究室主任研究員。2002年に朝日新聞を定年退社、同時にサイバーリテラシー研究所を開設(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。