出版社内容情報
大西洋海域と他の海域はどのように接続されていたのか、諸海域は相互にいかなる影響を受けたのか。碩学の海洋史家による新しい世界史への提言。D.アーミテイジ、M.レディカーの論稿も収録。
内容説明
マーカス・レディカー、デーヴィッド・アーミテイジの二大巨頭と碩学の海洋史家による新しい世界史への提言。
目次
大西洋海域から世界の海域へ
第1部 北大西洋から地中海、北海、インド洋へ(一九世紀初頭の北アフリカにおけるイギリス人の遭難と虜囚買い戻し―ヒト、カネ、情報の大洋横断的循環;織物とタバコが繋いだ「循環」―一八世紀末ロリアンに集まった貿易商人のネットワーク;一八世紀のインドおよびマスカリン諸島に暮らすフランス人―アジア海洋ネットワークからさぐる人、モノ、流行、理念のダイナミックな循環;極北にいたる海の循環―デンマークのグリーンランド植民地事業;海のレトリックとウィルソン主義―第一次世界大戦期のトリエステ社会民主党と多民族都市の行方)
第2部 北大西洋海域から南大西洋へ(八月一日祭―北大西洋海域におけるアボリショニスト・ネットワークの展開;アメリカにおける奴隷制即時廃止論の驚異的起源;建国期合衆国の大西洋奴隷貿易―ロードアイランド州ブリストルのド・ウルフ家を中心に;海と陸の循環―一八世紀アメリカにおける船乗りのライフサイクル;デンマーク領西インド諸島におけるフリーカラードについて―その実態と循環、そして歴史的役割を中心に)
第3部 北大西洋海域から太平洋へ(アメリカの広東貿易の開始とアストリア砦―太平洋北西部沿岸の領有権をめぐる帝国抗争;イデオロギーとしての「海」―マシュー・C・ペリーとその時代;内戦が生み出した国際海洋秩序―南北戦争下の軍艦輸出問題と極東の動乱;マレー半島、二つの漁村の現代史―西海岸の華人漁村と東海岸の難民受け入れ漁村;海洋史としての世界史―プローデルの先に)