目次
第1部 前期プトレマイオス朝とギリシア世界(プトレマイオス朝研究の視座;初期プトレマイオス朝とギリシア本土の諸都市;エーゲ海域におけるプトレマイオス朝権力の浸透「諸島民のコイノン」と外国人判事)
第2部 ディオニュシズムの形成(プトレマイオス二世のプトレマイエイア祭典行列;ヘレニズム君主とディオニュソスのテクニタイによる祭典文化;プトレマイオス朝におけるディオニュソス崇拝の変容;プトレマイオス二世による祭典行列の年代について)
第3部 後期プトレマイオス朝とギリシア世界(プトレマイオス四世による「四〇の船」の建造;プトレマイオス四世による「タラメゴス号」)
著者等紹介
波部雄一郎[ハベユウイチロウ]
1978年兵庫県生まれ。関西学院大学大学院博士課程後期課程修了。博士(歴史学)。現職、関西学院大学非常勤講師。専攻は古代ギリシア史、ヘレニズム時代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MUNEKAZ
10
最後のクレオパトラ7世ばかりが有名なプトレマイオス朝の前半期を扱った研究書。ギリシャ人が支配層を占めるエジプトの王国という微妙な立ち位置を、ギリシャ都市への恩恵施与や国家的なディオニュソス崇拝から読み解く。マニアックすぎたらどうしようとも思ったが、明晰な文章で最盛期プトレマイオス王国の政治文化を知ることが出来る。ギリシャ奪還を狙って虎視眈々と外交に励むと同時に、足元の異邦人たるエジプトの民とも向き合う王朝の自己演出ぷりが面白い。海戦の勝利を祝ってクソデカ軍艦作り、港に浮かべておくとかなかなかである。2024/07/25
アトラス書房
1
プトレマイオス朝に関して詳しい歴史が追える、数少ない古代エジプト史の本。 プトレマイオス12世が笛吹き王と揶揄されていたが、彼が信奉していたディオニュシズムとはどのようなイデオロギーであったかを把握できる。2023/03/13