内容説明
「ソマリアほど劣悪だと、誰も何もできやしないよ」何度そんなことを言われただろう。ある日知ってしまった紛争地の問題を、「何とかしたい」と思い立つ著者。「無理だ」と言われ続けながらも、日本とアフリカで仲間を集め、「自分たちだからできること」を探し続けた。現実と理想のギャップ、答えが見えない無力感、仲間との対立…数々の困難を乗り越えた末に出会ったのは、「テロリスト予備軍」と呼ばれる同年代のギャングだった。各国メディアが注目!「世界最悪の紛争問題」に挑む若者たちの奮闘記。
目次
1 出会い―「ここはテロリストの巣窟だ」
2 行動―模索する日々
3 葛藤―これがやりたかった活動なのか?
4 転機―「テロリストではない未来」をつくる
5 挫折―僕らの暗黒時代
6 前進―僕らはソマリアギャングと夢を語る
7 未来へ―夢に向かって、一歩ずつ進み続ける
著者等紹介
永井陽右[ナガイヨウスケ]
日本ソマリア青年機構全体代表。1991年神奈川県生まれ。早稲田大学在学中にソマリアの大飢饉と紛争の問題を知り、日本で唯一のソマリアに特化したNGO「日本ソマリア青年機構」を設立。2015年4月早稲田大学教育学部複合文化学科卒。同年9月よりロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの紛争研究修士課程に在籍。これまで人間力大賞、小野梓記念賞など受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちぃ
27
志を持ってまっすぐ進むその姿にエネルギーをもらい、また尊敬の念で頭が下がる!ソマリアへの入り口を探してさまようのでなく自ら立ち上げることができる行動力。口だけじゃないかっこよさ。行動ありきの軽率さで周囲をヒヤヒヤさせる彼が経験を得て思慮分別を弁えた大人に変化していく物語としても楽しめるしソマリアからケニアに流れてギャング化した若者たちの、可哀想でも凶暴、でもない一人の人としての姿も鮮やかだ。応援したい気持ちと、肩を並べて走っていきたい気持ちが混ざって、私も頑張ろうという気にさせてくれる一冊だった!2017/10/30
ひろ☆
22
ソマリアを何とかしたいという夢を持つ大学生。学生のイベントノリかと思っていたら、行動力がすごい!あれこれ言うやつはいるだろうけど、なにより行動!2016/06/28
スー
19
43自分に何が出来るのか?どんなスキルがあるのか?何を求められているのか?そんな事を考えずにソマリアの人達を助けたいという情熱だけで突っ走りソマリアに飛び込んでいきいつの間にか多くの人を巻き込み成果を出す、本当に凄い若い人にしか成し遂げられないと思いました。ギャング達に変わる事を訴え彼等が小学校に行きギャングになるな!友達を作れ!勉強しろ!学校を辞めるな!孤独になるな!と語るところは感動しました。そういえばすしざんまいのお陰でソマリア海賊が減ったニュースがあったけど今どうなってるのだろう?2021/03/20
Sakie
16
永井陽右氏の活動の始まり。なぜ、国境なき医師団すら撤退したソマリアでなければならなかったか、という問いは既に無意味だろう。紛争解決の専門家の忠告よりも、渡航する度に得る手ごたえを糧に彼は前に進んだ。『ギャングと話せば話すほど、同じ時間を共有すればするほど、彼らが僕らと何も変わらない存在だと気づく』。信じた活動を10年続けた先に経験もスキルも学位も得た。彼は行けるところまで行くのだろう。自分が『人間としての責任』と認識する活動にどうすれば無関心な人たちを巻き込んでいけるのか、日々考える。真面目な人なのだ。2022/12/28
スプリント
12
学生がソマリアの為に何ができるのか。理想と現実の狭間で目標設定することの難しさと組織運営の難しさに直面し、打開していく過程がとても面白かったです。著者の行動力に感服しました。2016/07/31