内容説明
私たちは以前より裕福になったけれど、以前より幸福にはなっていない―誰のための経済なのか。人々は、その答えを求めて自ら動きはじめた。世界各地に芽生えた確かな力を、気鋭の環境ジャーナリストがいきいきと描いた話題作。
目次
第1章 拡大の果てに(無限に続く拡大;不平等の公式 ほか)
第2章 食から見えてくる経済(地元産で暮らす;たくさん、安く ほか)
第3章 失われた絆(個人主義から超個人主義へ;農家のトマト ほか)
第4章 地域に芽生える力(ローカルラジオ―地域に役立つコミュニケーションを;音波のファーマーズマーケット ほか)
第5章 持続可能な未来へ(物の洪水が映しだす世界;貧しい国の未来 ほか)
著者等紹介
マッキベン,ビル[マッキベン,ビル][McKibben,Bill]
環境ジャーナリスト。ハーバード大学卒業と同時に、ニューヨーカー誌でスタッフライターの地位を得る。地球温暖化問題を早期に警告し、環境破壊の現在と未来を論じた『自然の終焉』(河出書房新社)は20ヵ国以上に翻訳され、世界的なベストセラーとなった。現在は、地球温暖化、代替エネルギー、遺伝子工学等について、多数の雑誌で幅広く執筆活動を行っている。ミドルベリー大学研究員
大槻敦子[オオツキアツコ]
慶應義塾大学文学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kubottar
12
石油燃料を大量に使って安いモノを遠くからわざわざ輸入する。そんなことをしていたら、石油がなくなった時、困るよね。地産地消について考えさせれた。2014/03/07
壱萬参仟縁
4
生命系の経済学は既知だが、地域共同体の富を問うのは重要だ。核開発の後に読むと人間はちっぽけな存在として謙虚にいかないと。アメリカ人はパットナムの孤独なボーリングなら、日本人はおひとり様の孤独なカラオケボックスだろうが。薄っぺらな経済に満足してきた軽薄な消費者像では。英治出版とは、なかなかしっかりした編集方針である。資源・エネルギー、貧困、経済開発、自然環境、国際紛争など、問題提起と情報提供をしている。そのうちの一冊という位置づけからすれば、相互依存の社会であらゆる格差を是正してこそまっとうな経済となるか。2013/01/18
takao
1
ふむ2025/01/10
Kentaro
1
ダイジェスト版からの要約 一昔前に環境保護論者が、煙突にもう一枚フィルターをつけろとか、煙突に関する法律をもう一式作れと言う代わりにディープエコロジーが必要だと主張した。それは、人々の日々の生活での選択について、より深く掘り下げて問いただす事を求めたものだ。人々の満足感と社会の永続性について考えることが求められる。行政ではなく、地域住民が自ら望み、必要だと感じ、普通の人々が身近なところから始めた静かな改革だ。さしあたってその最も重要な仕事は、私たちに必要なのは量だという意見の一致に亀裂を入れることである。2018/07/24
nobinobi
1
経済成長=幸福ではないよね、という本。ある程度生活環境が整うまでは、成長=幸福という等式が成り立つのかもしれないが、それ以上になると決してそのようには言えない。成長と効率化は切っても切り離せないもので、成長(効率化)を求めるあまり分業へと加速し、次第に人と人との間も分けられていく。近所に人はいるものの、ご近所さんと言える人が少なくなっていく。そんな社会で果たして良いのだろうかと、疑問を投げかけてくれた。2017/08/21
-
- 和書
- 微分 演習数学選書