内容説明
第一歌集『銀河を産んだように』、第二歌集『人類のヴァイオリン』、第三歌集『竹とヴィーナス』、既刊の全三歌集を完全収録。もう「伝説」ではない。名作歌集がついに文庫化!
目次
銀河を産んだように(金星の軌道;銀河を産んだように;迷路を選ぶ ほか)
人類のヴァイオリン(また降りたちぬ;まれびと炎;髪 ほか)
竹とヴィーナス(ゼロ;友情の西から;イデア界へ ほか)
著者等紹介
大滝和子[オオタキカズコ]
1958年、神奈川県に生まれる。1981年、早稲田大学第一文学部日本文学科卒業。1983年「未来」に入会。その後、岡井隆に師事する。1987年、合同歌集『保弖留海豚』に参加。同年、未来年間賞を受賞。1992年、「白球の叙事詩」三十首にて第三十五回短歌研究新人賞を受賞。1994年、歌集『銀河を産んだように』(砂子屋書房)刊行。1995年、同歌集にて第三十九回現代歌人協会賞を受賞。2000年、歌集『人類のヴァイオリン』(砂子屋書房)刊行。2001年、同歌集にて第11回河野愛子賞を受賞。2024年、現在も作歌活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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松本直哉
23
身辺や時事を詠みこむことはあってもそれが主観の表出とはならず、何か神話的な象徴を帯びて異なる時空とつながり、ギリシャの神々やマーラーや宇宙と手を取り合って詩的世界を形作る歌人の、時にはユーモアを交えた軽やかで涼しげな歌の数々に、久しぶりに短歌を読むことのたのしみを満喫した。「サンダルの青踏みしめて立つわたし銀河を産んだように涼しい」「セラフィムが日記をつける ケルビムが日記を破る 洋梨の汁」「少年のイエスはじめて十字架という言葉を聞きし日はいつ」「洗顔の人となりつつまなうらにひろがる銀河とおりぬけたり」2024/11/27
rinakko
6
『人類のヴァイオリン』を愛読してきたので、全三歌集はとても嬉しい。〈サンダルの青踏みしめて立つわたし銀河を産んだように涼しい〉〈めざめれば又もや大滝和子にてハーブの鉢に水ふかくやる〉〈さみどりのペディキュアをもて飾りつつ足というは異郷のはじめ〉〈ゆえ知らずわれに湧きくる不安をば珍熱帯魚として眺むるも〉〈きょうもまたシュレディンガーの猫連れてゆたにたゆたに恋いつつぞいる〉〈躰とは脈うつ大陸それぞれの孤独な奴婢に統べられながら〉〈超新星ばらまき猫という猫の硝子へだてて耳うつくしき〉2024/05/31
chacha子
4
とても美しい歌集でした。ほむほむ絶賛の理由が分かる。素敵。宇宙的な短歌。2024/08/03
hakootoko
4
え?まだ買ってないの?🍁2024/05/31
中将(予備役)
1
詳しい方おすすめの一冊。綺麗な言葉と思う一首があれば、奇抜な言葉と思う一首もあり、作風の広さを感じた。岡井隆の解説はなるほどと思った。2024/09/18