感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カフカ
46
義弟とは何者なのかも気になりますが、そもそも語り手が何者なのかも気になります。異種族であるとは思うのですが……。謎の多い歌集だったので、読み終えてますます「かばん」を読まねば、となりました。 「義弟らは火を点されて夏の夜の淡島通りを行進したり」 「またひとつ甲虫はくるこの庭のかどにスミレの花の霊園」 「蟻らみな律儀にインターフォンを押し訊く雨宿りしてもよいかと」 「ひからびた義弟たちを折りたたむしごとさ、驚くよ、軽すぎて」2024/01/12
RIN
14
光にかきまわされる家族の軽さに驚く義弟。言葉の奔流。名詞と動詞が交わって形容詞を誘う不穏で奇妙なユーモラス。声に乗せれば音が跳ね、意味を捕えれば蜻蛉が跳ぶ。夕暮れ時のもの悲しさに似た残像。蝉の薄い羽が蟹を横目に蟻の尻を追う。義弟よ、君たちは一体何者で僕とは誰なのだろうか。カサカサと乾いた君の折りたたまれたからだに触れる指先の僅かな隙間に憐憫色の愛情をもつ。いつか還る土塊の底。小さな景色の右斜め上。気まぐれのように胸を突き刺す一文も明日にはきっと忘れるだろう。忘却の狭間に立ち尽くす、君を忘れはしないだろう。2024/01/29
r
0
3150 最高2023/08/12
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