内容説明
話題沸騰となった、短歌研究新人賞受賞作「父親のような雨に打たれて」収録。自分をとことん晒し、嘘のない言葉の力を探し続ける歌人の、記念碑的第一歌集。
目次
1(父親のような雨に打たれて)
2(逝く蝶;アスファルトに射精を ほか)
3(ゆっくり喋る;火 ほか)
4(おまえの声じゃねーと寝れねーんだよ;日あたりのいい水たまり ほか)
5(スノードーム;エデン ほか)
6(瞬間最大風速!!!!!!!!!!!!!;一石二鳥 ほか)
著者等紹介
石井僚一[イシイリョウイチ]
1989年北海道生まれ。北海学園大学人文学部日本文化学科卒。2014年北海道大学短歌会入会。第五十七回短歌研究新人賞受賞。2017年北海道大学短歌会退会。埼玉県に転居。歌会活動家。石井僚一短歌賞主催・同賞選考委員。ネットプリント毎月歌壇2017年度選者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kaizen@名古屋de朝活読書会
34
#短歌 p15 ウォシュレットは壊れてしまった日常は水と共にあるものなのだろう p16 傘を盗まれても性善説信ず父親のような雨に打たれて p17 かつて父親を殴った水筒で墓前の花に水を与える p18 雨上がる竹藪の中エロ本のごと汚れたる聖書ありけり p21 晴れ空にビニール傘をぱられると回せば見えない雨粒が散る なゆたなゆたと波が寄せてはもこもこと雲が浮かんで思い出になる 2018/06/26
ふみ
33
まず装丁に殴られてタイトルに殴られて歌にも殴られて!!!! あとがきにも凹られました。2018/04/13
水色系
18
タイトルが好きすぎる。内容もタイトルに違わず勢いがあって好き。特に好き→これから自殺をするけれど掌に木漏れ日がきらきらしていてちょっとためらう(P21)/ぼくのパーカー身に纏うときひるがえってあなたはちいさなお化けだ とうとい(P39)/手を振ればお別れだからめっちゃ振る 死ぬほど好きだから死なねえよ(P81)/あのころは光の速さで歩いたりおしゃべりしたり楽しかったね(P84)2024/09/23
おはぎ
10
タイトルがいいなと思って手に取った。表題作は裏切らずよかった。全体として、すさまじい勢いと気迫となんだか得体の知らないエネルギーのようなものを感じる。特にあとがきは「(色々な意味で)すごいな」と思わずにはいられなかった。本体の短歌よりもあとがきに気持ちを持っていかれてしまった部分もあるくらい。正直なところ、エネルギーを抑えて抑えて静かに詠まれた歌にほんとうの良さが出てくるような気がした。「遺影にて初めて父と目があったような気がする ここで初めて」2023/01/11
坂道
9
最高の本に出会えた。"布団というやさしい膜にくるまって愛について考えて 泣いた" ほんまそれ。言葉にしたいのに、うまく言葉にできなくてなんていうか やきもきしたり、もう伝えられてない愛の言葉とかってどう溜飲したらいいんかわからんくなる。その時の自分の感情とかSNSにぶちまけて、「ねえ聞いてよ聞いてよ お願いだから誰かに届いてよ」って本当は言いたいけど、傍迷惑だろうと思って何事もなかったかのように振る舞う。そんな時の私を表現したような本。らびゅい2018/08/10