内容説明
ドイツロマン主義文学の代表的文豪であるルートヴィヒ・ティーク。本書は、ティークの作品を通じてアインザームカイトのもつ多様で重層的な意味合いを探求する。
目次
研究の枠組み、方法
アインザームカイト観の史的変遷
ティークのアインザームカイトのモティーフに関する先考研究史
ティークの青年期のアインザームカイト体験
ティークの作品群におけるアインザームカイトのモティーフの諸相
信ずるものが失われた不安のアインザームカイト、隠者とアインザームカイト―『アブダラ』におけるアインザームカイトのモティーフ
ヴァルトアインザームカイト:信頼と疑念、無垢と悟性―『金髪のエックベルト』におけるアインザームカイトのモティーフ
「私」の探求とアインザームカイト―『フランツ・シュテルンバルトの遍歴』と『ルーネンベルク』におけるアインザームカイトのモティーフ
仮面と生―『山の老人』における「彼のアインザームカイト」
夫婦愛に示される生に不可欠なアインザームカイト:夫婦愛とアインザームカイト―『生の余剰』におけるアインザームカイトのモティーフ
手の届かないヴァルトアインザームカイトあるいは失われた楽園―ノヴェレ『ヴァルトアインザームカイト』におけるアインザームカイトのモティーフ
アインザームカイトと日本語の「孤独」―ティークの作品におけるアインザームカイトを巡る補足的考察
アインザームカイトのモティーフとイロニー―アインザームカイトのモティーフについての文芸論的考察
日常語としてのアインザームカイトから詩的表象としてのアインザームカイトへ
ティークのイロニー観
ヴァルトアインザームカイト―ティークのイロニーの極致
変容するアインザームカイトのモティーフ、一貫して流れるアインザームカイトのモティーフ
結語
あとがき
著者等紹介
山縣光晶[ヤマガタミツアキ]
1950年生まれ。ドイツ環境政策研究所所長、林業経済研究所フェロー研究員。1972年、東京農工大学農学部卒業。2013年、上智大学大学院文学研究科(ドイツ文学専攻)博士後期課程修了。博士(文学)。林野庁国有林野総合利用推進室長、近畿中国森林管理局計画部長、岐阜県立森林文化アカデミー教授、東京農工大学・京都精華大学・上智大学講師、林道安全協会専務理事、全国森林組合連合会常務理事、一般財団法人林業経済研究所所長などを歴任。日本独文学会会員。専門はドイツロマン主義文学、環境問題(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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