目次
第1章 私の不安を知ることで、子育ては変わる(親の不安は子に伝播する;親の言うことを聞かない子ども ほか)
第2章 親はこうして、子をコントロールする(成功体験は危ない!?;ある母と娘との電話 ほか)
第3章 苦しむ子どもたちと、そのとき大人ができること(学力と差別の問題;身近になった障害 ほか)
第4章 子どもの未来のために(子どもの夢について;大人になるということ ほか)
著者等紹介
鳥羽和久[トバカズヒサ]
1976年、福岡県生まれ。文学修士(日本文学・精神分析)。大学院在学中に学習塾を開業。現在は、株式会社寺子屋ネット福岡代表取締役、唐人町寺子屋塾長、及び単位制高校「航空高校唐人町」校長として、小中高生(150余名)の学習指導に携わる。教室の1Fには書店「とらきつね」があり、主催する各種イベントの企画や運営、独自商品の開発等を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
今ごろになって『虎に翼』を観ているおじさん・寺
77
書いてる人が鳥羽さんで、出版社が鳥影社だからこの表紙なのかと思うが、子供に戻った気分でしげしげ見てしまいそうになる表紙だ。福岡で塾や高校を開いている著者の、親子と教育にまつわるエッセイ集。エッセイ集だが、芥川賞か直木賞でも差し上げたいような本である。読んでいてしばしば、辛かった子供時代を思い出して涙が出た。私が他の子に比べて恵まれていなかったとは言えないが、子供なんていつも辛いのである。受験も辛かった。厭な思い出がたくさんある。その厭な思い出に親はよく絡んでいる。でも鳥羽先生は親にも優しさを忘れない。2021/08/12
もちもちかめ
14
長男は大学生、次男は高校生になります。彼らが自立できてるといいなあと願いつつ、この親子関係の解説書は、我々にはもう不要かなあ。中学生が中心。文章が叙情的で読みにくいので、きっと実際に話すといい先生なんだろうなと思いました。いい人の文章は叙情的で読みにくいと思ってる。さっぱり分かりやすい本書くほうがサイコパスイコールチャットgptさんと思います。この本に書かれてることは親子で乗り越えてきたと自負のため謎の上から目線ゴメンナサイ。もうさ、集団で育児するでいい気がする。2025/03/31
makimakimasa
11
先に読んだ妻は相変わらず刺さりまくっていた。親の不安は子に伝播しネガティブな影響を与え続ける、表面的なハウツーだと子は親の「動かしたい」という意思を見透かして反発、子供の反発の理由を自問して相手に心を寄せる、子供の「今」と向き合う、子の意思で選ばせる親の積極的/消極的関与は親の利己性の発現において表裏一体、親の欲望を子に背負わせると子は期待通りに演じ切ろうとして不幸になる、理解ある親の元では精神的に脆い子が育ち易い、親という壁にぶつかって試行錯誤する機会が奪われる。子を信じるのも肯定するのも言い方難しい。2025/03/05
art_mr
9
子どもから距離を置いたり、理解のあるような親が理想なのではなく、ただ子どもに近づき、心を寄せること…子どもが親を必要としているときに、子どもを見ること、見ているということを伝えること…こどもの「いま」に耳を澄まし、逃げず、エネルギーと辛抱を伴うけれどもしっかり向き合うこと…それのなんと、なんと難しいことか。子供にとっての親の力の大きさを忘れずに、子に接していきたい。何度も読み直したいけれど、とりあえず一読目では、「〇〇しないと〇〇捨てるよ!」をやめています。2025/02/11
鳩羽
7
塾講師による学齢期以降の親と子の不具合について、子育てや子どもの悩みの事例から書き記したエッセイ。子供が素直に自然に育てない理由は、社会にもあるし、親自身にもある。一対多であったり、支配被支配だったりの不均衡な関係は、弱い立場である子供にその負担をかけることが多いのだろう。それを見直すために、「親子」とひとくくりの関係にならず、子供を見つめ、親自身を見つめることが大事なのかもしれないと思った。最初にすべてが虚構と書かれているので、事例そのままではないと思いながら読んだほうがいいのかも。2025/02/11