内容説明
万人のために、“スポーツ漫才”を生み出しヨシモトの笑いをエンターテインメントとして一大旋風を巻き起こした男だったが…その伝説の芸人・永田キングの全貌に迫る!
目次
いま、伝説の男が甦る…
スポーツ漫才誕生!
キングには黒船だったマーカス・ショオ!
キングスタイル始動!
天下分け目の戦い勃発!?
劇場から姿を消したキング一党…
…辿り着いた野球芸!
著者等紹介
澤田隆治[サワダタカハル]
テレビ・ラジオプロデューサー。昭和8年大阪生まれ。テレビランド社長、日本映像事業協会名誉会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kokada_jnet
53
先日、死去した澤田隆治氏が1年前に刊行していた、幻の喜劇人・永田キングの渾身の評伝。小林信彦『日本の喜劇人』では名前すら出てこない人物で、私は「グルーチョの容貌の真似をした」ぐらいの認識しかなかったが。エノケンのライバルともいわれ、集団アクション・ギャグで一世風靡をした喜劇人だと知った。ただ、本書の刊行前に、Wikipediaには永田キングの項目があり、演芸マニアの方の間では、それなりに知られていた人のよう。キングの人生を描きながら、共演した無名の芸人たちについての言及も多数あり、知られざる喜劇史の様相。2021/08/29
gtn
24
自ら一座を構え、昭和11年には喜劇王エノケンも色褪せてみえるほど、頂点に限りなく近かった永田キング。その彼がそれほど記録にも記憶にも残っていないのは、本書で推察しているとおり、戦後の米軍キャンプ廻りやキャバレー中心のスケジュールにより、テレビに縁がなかったことが大きいが、出征により小林信彦少年の目に触れず、「日本の喜劇人」に記述がないことも一因では。ヒロポンの影響か、晩年脳を病んだのも哀れ。昭和52年2月死去。享年68。意外と長命だった。2021/06/07
zatugei
0
ほとんど知られていなかった喜劇人の評伝。振興と吉本の引抜問題もくわしい。よく調査されている。ただ戦後のキャンプ廻りについて言及が弱い。それと、やはりどんな舞台だったのかがはっきりしないのがもどかしい。2022/02/21