内容説明
いま政治の主導権を握っているのはマスメディアであるが、大衆に迎合しようとしてそれが形式的な正義を強調すればするほど、大衆もまた正義の味方になったような気分で、善に陶酔しながら現実を見失って判断を狂わせていく。そうしたことが物神化が繁殖する絶好の土壌になるのである。現在のところ、日本人の混迷は精神の内部にとどまっているが、それが政治や経済や外交にまで波及していったら、その先に待ち構えているのは国家の破局ということになるのではないか。古代からアルメニアの聖なる山であったアララト山。トルコの領土にされてジェノサイドを嘆くこともできない、国家なき民族の悲劇を描く。
目次
第1部 闇に漂う箱舟(メソポタミアの箱舟;ノアの箱舟の登場;キリスト教会としての箱舟;全能の神はなぜ悔いるのか)
第2部 ゴルゴタへの道(オスマン帝国の中のアルメニア人;青年トルコ人による恐怖政治;絶滅への大行進;なぜジェノサイドの標的にされたか)
著者等紹介
森和朗[モリカズロウ]
昭和12(1937)年、名古屋生まれ。名古屋大学経済学部卒。NHKで報道番組などを担当。国際局チーフ・ディレクター、日本大学芸術学部文芸学科講師などを経て、現在フリー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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