内容説明
五条橋は二本あった!室町時代の京都が見えてくる。織田信長が上杉謙信に贈ったことで有名な「上杉本」と現存する最古の「歴博甲本」を中心に、京都を愛する著者が案内する、ときめきマップ・洛中洛外図の世界。
目次
1 洛中洛外図の概要
2 洛中洛外図に登場する事物(寺社、名所旧跡など;武家と公家;年中行事;その他)
著者等紹介
井上知明[イノウエトモアキ]
昭和23年(1948年)岡山県生まれ。京都大学卒業後、京都府庁に勤務。現在、薬剤師の傍ら洛中洛外図、狩野派絵画等を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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田中峰和
6
室町時代の京都を屏風に描いた洛中洛外図は、4作品現存しているが、ここでは「歴博模本」と「上杉本」が取り上げられる。屏風を本と呼ぶらしいのだが、文字や地図だけではわからないイメージを書籍以上に見事に再現してくれる。寺社、名所旧跡も移動させた秀吉の権力は脅威だが、相国寺の大塔は百メートル以上、京都タワー並みの高さを誇ったことに驚く。単なる施設だけでなく、上杉本には2485人もの様々な身分の人物が描かれる。厳密にいえば、矛盾点があるのは、永徳などの画家が現実よりあるべき姿を描くことを重視したためである。2019/12/15
ohmi_jin
2
洛中洛外図屏風でも歴博甲本と上杉本について、本ごとの違いと寺社の描かれかたについて解説してくれる。ありのままの都ではなく、あるべき都の姿を描いたのが特に上杉本に顕著。2019/12/18