内容説明
しずかちゃんとワカメちゃんを長年演じ、現在は少数精鋭の難関声優養成所「スクールデュオ」の校長として、代永翼、阿部敦、伊藤静、いのくちゆか、藤村歩などの若手人気声優を育て上げている野村道子が、初めて語る―声優業界のすべて。
目次
第1幕 声優の歴史、私の歴史(声優の歴史、テレビの歴史;プロに学んだ高校生時代 ほか)
第2幕 声優に必要ないくつかのこと(原石を探す;基礎訓練の大切さと、生まれ持ったセンス ほか)
第3幕 声優の仕事の実際(アニメーション制作体制の変化;事務所を選ぶ ほか)
第4幕 それでも声優になりたい人たちへ(年齢と経験と;「声優になりたい!」と思ったら―今日からできること ほか)
特別ふろく ドラえもん座談会―大山のぶ代×小原乃梨子×野村道子
著者等紹介
野村道子[ノムラミチコ]
神奈川県横浜市生まれ。東京アナウンスアカデミー卒業後、劇団山王、東京都俳優生活協同組合、ティー・エー・ピー(TAP)、青二プロダクションなどを経て、1984年に夫である声優・内海賢二の賢プロダクション設立と同時に所属となる。2005年に勇退した『サザエさん』の磯野ワカメを最後に、声優としての一線を退く。現在は賢プロダクションのマネジメント業務を担当するかたわら、声優養成所スクールデュオでは校長を務めて、後進の育成にあたっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みどるん
7
内部事情がおもしろい。野村さんが、役者と経営者の二つの観点、新旧の時代から声優業界を語っているので立体感があってわかりやすい。ベテランでも価値観は常に鮮度を保っているんだなぁ。それにしても賢プロ…いろいろと自由だ。2014/03/09
富士さん
3
野村道子さんの自伝。野村さんは草創期からの声優であると同時にプロダクションの経営者であり、いち声優の視点を超えて業界を俯瞰できる方だと思います。歴史と現在を知る上で、野村さんの認識は貴重な資料です。特に、賢プロ関係でどうしても気になる18禁作品への考えがはっきり示されているのが目を引きました。所属声優の手前、このテーマにフラットに言及できるのは、声優としての年季と経営者としての実績があったればこそでしょう。これは、仕事としての声優の全体像を理解するには避けて通れないテーマであるはずで、さすが大物でした。2023/06/20
じゅんた
3
タイトルで手にとっちゃった。なかなかシビアでプロフェッショナルで面白かった。レギュラーあるから何年も長期旅行に行ってないとか、声が変わるから同じ役に声を当て続けることが難しいとか、海外映画の吹き替えは演技力が必要だから舞台俳優がやる事が多い、とか興味深かったです。2014/06/06
空刃
2
テレビアニメ「ドラえもん」でしずかちゃんを演じた野村道子さんの著書です。 声優を目指す人のために書かれた本だそうで、 自身の経験を下敷きに声優の世界について語られています。 アフレコの流れや、野村さんの主催されている声優養成所の「School DUO」についても言及されているので、声優を目指されている方は参考になるのではないでしょうか。2014/02/08
電気石
2
どんな感じの本かな、と軽い気持ちで手に取った。すると、結構興味深くて一気に読み上げた。声優志望ではないが、この業界の厳しさは私には無理だ、と思った。最後に、ドラえもんとのび太、しずかちゃんの声優であるお三方の対談は、読んでいてほっこりした。2013/12/02