内容説明
アラブは2度覚醒した。数十年前、エジプトのナセルを初めとする民族主義的理想に燃える指導者たちがなし遂げた「第一の覚醒」は、とどのつまり権威主義体制と独裁者を生んでしまった。そしてその打破を掲げた「アラブの春」(第二の覚醒)。しかしそれは民主主義とイスラム主義の同床異夢的せめぎ合いの下にあり、今後の道筋は困難を窮めるであろう。イラク出身の著者が、上記の視点から10か国について詳説。
目次
彼らの不満の冬
第1部 最初のアラブの覚醒―一九五〇年代と一九六〇年代(民族主義の諸革命;それらが生み出した独裁者たち)
第2部 第二のアラブの覚醒―二〇一〇年一二月~(民主化の道を驀進中?―チュニジアとエジプト;民主化の道のくぼみ(といくつかのクレーター)―リビア、イエメン、バハレーン
ライオンと野蛮人―シリア
民主化の道へのためらいがちな歩み―モロッコ、ヨルダン、イラク、レバノン
民主主義とイスラム主義者の挑戦)
著者等紹介
ダウィシャ,アディード[ダウィシャ,アディード] [Dawisha,Adeed]
1944年イラクのバグダードに生まれる。16歳でイギリスに移り、ランカスター大学やロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで政治学・国際関係論(博士)を学ぶ。ランカスター大学で教え始めたが1983年に渡米し、ジョージ・メーソン大学を経てマイアミ大学(オハイオ州)で政治学教授を務めている
鹿島正裕[カシママサヒロ]
1948年新潟市に生まれる。東京大学教養学部、同大学院社会学研究科で国際関係論を学ぶ(2001年同大学院総合文化研究科より学術博士号を取得)。1980‐82年にエジプト・カイロ大学で客員助教授を務めた後1982年から2013年まで金沢大学の法学部、ついで人間社会学域国際学類で国際関係論を教え、定年退職後は同大学名誉教授、非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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