出版社内容情報
朝の連続テレビ小説『風、薫る』主人公モデル――
かつて看“病”婦と呼ばれ、蔑まれた看護婦たち。
彼女たちは戦う。患者の命のため、自らの尊厳を守るため――。
「看護婦は下賤の仕事」――それが、明治初期の日本における常識だった。医療の現場は男のものとされ、女性が医療分野の仕事に就くことは、暗黙の了解で禁止されていた時代。そんな中、大関和は当時蔑みの対象であった“看護婦”という仕事に身を投じる。
教える者も少ない手探りの現場で和が頼りにしたのは、西洋看護の理念と、目の前の患者に向き合う誠実さだった。看護は雑役ではなく、専門的な知識と責任を伴う誇りある仕事である。その思いを、和は行動で示していく。
やがて鈴木雅という同志と出会い、和の闘いは個人の生き方から社会を変える挑戦へと変わっていく。だが、看護婦養成、派出看護の確立、家庭へ看護を届ける試み――その一歩一歩は、常に反発と妨害に晒されていた。
偏見、制度の壁、女性であるがゆえの理不尽……。厳しい現実に飲み込まれながらも、和と雅は「看護とは人の尊厳を守り、命を救う仕事である」という信念を決して手放さなかった。
本書は、日本初のトレインドナース(正規に訓練された看護師)たちが、名もない現場で積み重ねた闘いと希望の物語である。その姿は、今なお働くすべての人の胸に、静かな勇気を灯すだろう。
【目次】
第1章 和と雅のトレインドナース前史
第2章 集え! 桜井看護学校
第3章 医療現場に女は不要
第4章 廃娼運動と看護婦会
第5章 東京看護婦会の奮闘
第6章 大日本看護婦人矯風会設立
第7章 戦争と看護婦
第8章 エピローグ
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