出版社内容情報
江戸時代の出版社にて数々のヒット作を生み出してきた蔦屋重三郎の成功作法をまとめた本。江戸っ子の気質には、「粋」や「野暮」、「意地」、「洒落」、「笑い」、世間の理不尽を笑う「穿ち」などがあった。そんな江戸で蔦屋重三郎はどのようにしてヒットメーカーとなったのか。蔦屋重三郎が仕掛けた作家たちと作品を追い、江戸時代の大衆エンタメや世渡り術を学ぶ。
内容説明
蔦屋重三郎に学ぶ現代の処世術。
目次
1章 江戸っ子とは
2章 粋の作法
3章 野暮の作法
4章 意地と張りの作法
5章 洒落の作法
6章 伊達の作法
7章 穿ちの作法
8章 笑いの作法
著者等紹介
櫻庭由紀子[サクラバユキコ]
執筆、創作を行う文筆家・戯作者。伝統芸能、歴史(江戸・幕末明治)、日本文化の記事執筆の他、ドキュメンタリーライター、インタビューライターとして活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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旅するランナー
178
大河ドラマがべらぼうに楽しめるようになる一冊。横浜流星と仲間たちの通 ·粋·洒落が学べます。田沼意次から松平定信へと変遷する政治体制に常に抗う男伊達が魅力的。写楽の存在と謎もその戦法として紹介されています。太田南畝·滝沢馬琴らが残した評価も面白い。2025/07/06
ひらちゃん
37
大河ドラマ「べらぼう」からもっと蔦重のことが知りたくなって。粋で鯔背でちゃきちゃきとした江戸っ子が好き。天下のお武家様たちも、町人も吉原者も。皆、理不尽な政に不満があっても大っぴらには文句も言えない。そんな中、書で穿ったり絵で揶揄ったり、なんとも痛快だ。時代背景も見えてきて、なんだか今の世の中に似たものを感じてしまう。今読んでも面白そうなものばかり。ますます大河ドラマが楽しみになった。2025/07/18
chocoうさぎ
1
今流行りの蔦屋重三郎もの。江戸時代の流行などの例えが今どきの言葉や事象になっていて分かりやすい。同じ話が重複して紹介されてるのが鬱陶しい。読みやすいので江戸時代初心者や普段時代劇を見ない層や時代小説を読まない層には良いかも。蔦重が抱えていたクリエイターたちもバラエティーに富んでいて面白い。時代の変わり目なのか、初めのうちは武家の文筆家たちが活躍するが、時代と共に町民出身に移り変わっていく様が、当時の時代背景が説明されると理解しやすく、その点は良かった。2025/06/27
bookmari55
0
中世文学ってあまり興味が持てなかったけど、大河ドラマを見て、当時の文学がすっごいウィットに富んでいたり、オシャレだったり、粋だったりして、面白いなぁと思えている。サクッと読めて軽く大河ドラマの予習ができてよかった。2025/05/29
Shinya
0
大河ドラマにノッて読んでみました。 粋を具現化したメディアの発出は、天下泰平の副産物。戦のない時代っていいね。2025/03/07