内容説明
日常生活に潜む人々の心理を浮きぼりにする。現代社会の課題を知り、対応するための一冊。個人や集団の「心理と行動」がわかる。
目次
1 「炎上」するSNS
2 仲間意識が生む「同調圧力」
3 ナショナリズムが高揚する「オリンピック」
4 誰も止められなくなる「企業不正」
5 人間性すらも変える「ブラック企業」
6 普通の人々が暴走する「ハロウィン」
7 無視された「避難勧告」
8 誰も助けてくれない「都会の冷たさ?」
9 セールスマンの「巧みな話術」
10 人の本質が現れる「あおり運転」
著者等紹介
北村英哉[キタムラヒデヤ]
東洋大学社会学部社会心理学科教授。東京大学大学院社会学研究科博士課程中退。博士(社会心理学)関西大学社会学部教授を経て現職。専門は社会心理学、感情心理学。人間の大切さを中心に置く心理学の視点から、どのようにして互いに他者を尊重して、社会を営んでいけるかを研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hit4papa
39
ナショナリズムが高揚する「オリンピック」等、10テーマについて社会心理学から解説を心試みるもの。まず漫画で日常のとあるシーンを切り取り、そこに見られる人間の行動パターンの何故を深掘りします。なるほど、こういう行動は取りがちと思い至ります。著者は、社会心理学を「70%の科学」であり大雑把に”人間全般に理解できればよい”と述べます。自分には当てはまらないとしてもそこにカギがあり、多数の人の考えを理解することが重要であると説きます。人と人、集団の中の人、社会現象・社会問題を紐解くには有用な学問だと納得できます。2024/08/23
なりぶぅ
4
本書は10のエピソードを漫画でわかりやすく示して、それぞれに解説を加える形で構成されている。社会心理学は70%の科学と著者が述べるように、私自身当てはまるものとそうでないものがあった。ただ当てはまらないからといって無視していいわけではないことも、あとがきで補足してあり良い学びになった。敵意帰属バイアスなんて言葉は初めて聞いたけれど、これは特にハンドルを握る身として意識していきたい。車を必要とする社会で自分がいつ加害者や被害者になってもおかしくないから。2021/09/21
ゼロ投資大学
3
個人や集団が「どのような状況」で「どのような行動」をしてしまうのか、社会心理学を使って紐解く。職場、学校、SNSといった我々の日常生活における活動の場でも、社会心理学で頻出する人間行動はよく見られる。個人では正常な判断を行える人でも、集団の中にいると周りに同調して、異常な行動を取ってしまうことがある。常日頃から自分の行動を客観的に見つめる習慣を欠かさないようにしたい。2023/07/14
すみす
2
人がとる行動について、その普遍的な因果関係を、実証実験をベースに科学的に分析する学問が社会心理学。以前から興味があり色々と本を読んできた。読後はなるほどと思い納得はするものの、問題はこれをどう実社会で応用していくか。これについてはあまり分かりやすく書きすぎると悪用されるからということなのか、どの社会心理学の本にも詳細な記述はない。自分で色々考えてみてよと投げかけられた感じであり、あらためて時間を掛けて考えてみようと思う。2022/02/11
29世紀
2
☆3☆息子が「眠れなくなるほど面白い社会心理学」を読んでいたので、私も負けじとこちらを図書館で借りて読んでみました。ほぼ漫画なので、さらっと読めるし、わかりやすくて最近の事例ばかりなので、社会心理学の入り口の本としてはいいと思います。こういう学問があるのね、実生活でも知っていると役に立つ部分があるのね、という入門編ですね。2021/11/14