内容説明
人間の偉大な創造は妄想×試行錯誤の賜物だった―鳥からひもとく身近な科学技術。
目次
1 鳥×テクノロジー―こんなところに鳥と工学(鳥とヒコーキ;鳥と二本足;羽毛と悲劇;鳥と新幹線)
2 鳥×メカニズム―鳥の体と行動学(鳥とナビゲーション;鳥とセンサー;鳥とテーブルマナー)
3 鳥×ビヘイビア―鳥は何を考える(鏡よ鏡;鳥を捕まえる;鳥と闘争)
巻末企画1 鳥マニア的BOOK&FILMガイド
巻末企画2 鳥マニア的「この人に会いたい!」スペシャルインタビュー 松本零士(漫画家)
著者等紹介
松原始[マツバラハジメ]
1969年奈良県生まれ。京都大学理学部卒業、同大学院理学研究科博士課程修了。専門は動物行動学。東京大学総合研究博物館特任助教。研究テーマはカラスの生態、行動と進化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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booklight
36
軍事・動物オタクがすくすくと育つとこうなるのか。鳥は何で飛べるんだ、というのを工学的に戦闘機と比べて考えたり、羽毛をギミックとみてその機能の素晴らしさを語ったりと、鳥の魅力を複数の視点で紹介。いわゆる雑学本より一歩踏み込んだところが鳥類学者らしく、カワアイサの嘴に歯があると思ったらすぐ水鳥の剥製を複数チェックしたり(ガチョウの舌はトゲトゲらしい)、有名な500系新幹線がカワセミの嘴を模した話も、一定の比率で断面積が増える放物線回転体が圧縮波を発生しにくいため、とその理論の背景も紹介。知識の縦横連携芸だな。2020/05/23
クナコ
16
初読。「カラスの教科書」でお馴染みの鳥類学者が趣味と専門分野の知識をフル活用して語る、鳥といろいろ雑学本。鳥と飛行機の比較や鳥の身体部位の進化やギミック解説など、わかりやすいネタから調べないと絶対わからないコアなネタまでてんこ盛り大ボリュームで語ってくれている。ミリタリーや鉄道、サブカル要素もかなり多いので読者を選ぶかもしれないが、雑学から雑学へのはしご渡りは個人的には大好物。相変わらずの鳥に対しての著者のツッコミのキレもいい。「おたく随分と鳥のこと馬鹿にしてるけれど、絶対好きでしょう」と言いたくなる。2020/07/28
ローレンツ🐾
10
著者はバリバリの京大生物学者。そして部類のカラス好き。メカと鳥が好きならこの本は非常に面白い!著者のくだけた感じの文章もたまらない!再読決定!2020/03/22
kurupira
7
第1章「鳥とヒコーキ」は理系でマニアック度が高いが、以降はすんなり読めた。作者の多才さ広範囲な知識が窺い知れます。昨年末に池袋ジュンク堂での作者による講演会に参加して購入、サインも頂いた。講演会でも鳥と飛行機で飛ぶことをテーマに話されて、終わりに質問を受け付けてたので、ハチドリが空中で静止できるのはどうして?と聞いたら、一瞬の間があって答えてくれた、帰りながらうちの奥さんと凄い良い質問だったよねとか話して帰り、家で本をパラパラ見たら、最初のページにハチドリ書かれていた、よく見たら表紙にもカラーでいるし。。2020/02/26
櫛橋光
5
生物と機械の本ですわ。タイトルに鳥と有りますが、鳥はこうだが他の生物の場合はこうだとか、結構生き物全般に触れられてます(カラス先生なので鳥が中心ですが)。機械の事は、航空機やら新幹線やらの流体力学とか難しい内容も有りますが読みやすい書き方です。ミリタリー関係のうんちくが多く、鳥とマシンの見識が次から次へと。全体的に読みやすく、私的には鳥の色々な行動理由の話が一番面白かったですわ。2020/07/08