内容説明
江戸時代を彩った「色街」その繁栄ぶりに思いをはせる。吉原の遊郭、品川や新宿の宿場町、深川や上野の岡場所、八王子や府中の旅籠、船橋や潮来の地方の宿場―街は遊女が集い、女色を求めて男が通い、賑わった。
目次
第1章 色街・遊女の歴史と風俗―岡場所と吉原の違い
第2章 宿場町の遊女―交通の要地として発展した岡場所
第3章 寺社町の遊女―寺社とともに発展した門前町の岡場所
第4章 川沿いの遊女―水運が発達した江戸の岡場所
第5章 吉原の遊女―幕府公認の遊郭の全貌
第6章 地方の遊女―各国で繁栄した岡場所と遊郭
第7章 陰間茶屋の男娼―江戸時代の男色事情
著者等紹介
安藤優一郎[アンドウユウイチロウ]
1965年生まれ。歴史家。文学博士(早稲田大学)。江戸をテーマとする執筆・講演活動を展開。JR東日本大人の休日倶楽部などで生涯学習講座の講師を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミカママ
480
【KU&遊廓部参考図書】大河のおかげですっかり有名になった「遊廓」と「遊女」。今作は吉原にも触れるも主にそれ以外の地方都市での状況の考察。遊廓部を創設したときに主に永井義男先生のご本を読みこんでいたので、既知の事項は流し読み。下層遊女の実態が悲しい。相場は一回800円とか1200円とか。粘膜すり減らした対価がそれかよ。あぁでも現代の最低時給がそれくらいなのかな、とか。春画のリアルがすごかった(笑)吉原学びたいならコレより→:https://bookmeter.com/books/109872962025/02/27
イロハニ
12
元吉原から新吉原への経緯、幕藩公認の遊郭とあまたの非公認色街の説明、後者の幕政三大改革による廃業やその需要による復活等の大局から小舟でひさぐ河川多い江戸独特の業態まで現在地のどこ辺りで営まれていたか相当、微細に示される。江戸のみでなく全国主要地に解説は拡がる。図版多数掲載だが現代のイメージイラスト皆無で図版は大半出典元も付され春画も無修正。主な史事、邦歴に西暦年を付し貨幣換算もあり一読で往時のその筋の状況が俯瞰できる。男娼解説も有り。史跡探訪に文芸鑑賞にハンディな名事典。各解説の多少の粗は電子検索で補える2022/10/01
せんべい
7
大河ドラマの影響で旧遊郭のお勉強。その跡地はもちろん、門前町や旧宿場町に細々と残る風俗店の理由と歴史がわかった気がした。春画などの資料もとても興味深かった。2025/03/14
niho
7
みんな気になる色街文化について。これは装丁がずるい!装丁がお洒落!ジャケ買いしちゃうじゃん! 内容的には淡々とタイトル通りの事を当時の浮世絵等を見せながら説明してくれる感じです。分かりやすい。ただ同じ絵や説明が何度も出て来たり(覚えれて良いかもだけど)、文章が途中で切れたまま2ページ分絵が載ってまた次のページに文が続く構成は少し読み辛かったかな。でも興味深くて面白い本でした。遊里も遊女もそんなに多かったんですね...2018/12/07
チョビ
6
江戸時代の全国津々浦々の遊郭ご紹介。文章の隙間から税金が取りたてやすいというメリットがありながら、武士道のために弾圧もされるめんどくさい世界見える。でも、結局のところ楽しみが少ないゆえのハレとして庶民にには重宝がられていたのだろう、江戸の町だけでもいたるところ遊郭じゃねーかと突っ込みたくなること請け合い。今頃気づいたんだけど、男の数が女より多いから遊郭ができたというけど、その女性たちの戸籍ってそういえばどうなるんだろう?そう思うと浅草の「あちらさま」の戸籍にいたのかなー?とも思える。日本もまだ、だな、2019/05/28