内容説明
登録抹消、戦力外通告、合同トライアウト、靱帯断裂…。現役生活もハード、引退後もまたハード。サッカー選手の実像に迫るノンフィクション。
目次
財前宣之に会いに行く
森崎嘉之さん、あなたは今どこで何を
元祖天才・磯貝洋光という生き方
Jリーガーと性
再び財前に会いに行く
船越優蔵 みたび、輝く日に
中田英寿 その理想、高きがゆえに
1993年U‐17世界選手権メンバーの軌跡を追う1
1993年U‐17世界選手権メンバーの軌跡を追う2
船越優蔵 指導者としての再出発
引退した財前に会いに行
藤田俊哉とセカンドキャリアについて考える
著者等紹介
大泉実成[オオイズミミツナリ]
1961年東京生まれ、茨城育ち。ノンフィクション作家。1989年、処女作『説得―エホバの証人と輸血拒否事件』で講談社ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やっちゃん
11
スーパースターの自伝もいいけど本当に参考になるのはこのようなプロでうまくいかなかった選手の実話だと思う。プロは厳しい、会社勤めなんて楽なもんだと感じる。ジュビサポとしては菊地の話が一番興味深かった。2024/11/26
jiangkou
4
骨太サッカールポ、インタビュー本。中田と同世代のプロ選手の現役、現役後を数年にわたり追いかけインタビューしたもの。沢木ものほど作品感は無いが、インタビューが良い視点でされているので、面白く読める。さすがサッカー批評。将来有望選手が目が出ないと、また驕りか、と外からは見えがち、報道もそんなのばっかだが、そもそもプロを自ら覚悟をもって選択するという決断をしないままプロ行きする人が多く、そのあと其々悩んでいることがわかる。やっぱ日本って子供を子供扱いしすぎだよね。もっと覚悟をもって決断させないと発展はない。2017/02/10
ヨシロウ
4
不勉強のため他のスポーツがどうかはわからないが、プロサッカー選手の寿命は、本当に驚くほど短い。常にケガの心配、勝利へのプレッシャー、放出の恐怖がつきまとい、心身ともに厳しい。Jに関して言えば、年俸もそう高くはない。引退後だって生活は続くし。しんどい、の一言がしっくり来る。2013シーズンのマリノスみたいなおっさんチームは希有な存在だし、各年代で常に代表呼ばれても、A代表には全然呼ばれない、なんて選手も多いものな…と、読了後しんみみりしてしまった。2014年はtoto買うし、もっとスタジアムに行くと決めた。2014/01/09
ハローCZO
4
1993年に日本で開催されたU-17Wユースのメンバーを中心にサッカーを引退後のセカンドキャリアに言及された一冊。 財前さん・船越さんもだけど、それに加えて元選手権得点王・森崎嘉之さんや天才・磯貝洋光さんの名前があればそりゃ興味惹かれますよね。 タイトルに違わず読み始めたら一気に引き込まれて短時間で読み終えてしまった。 「幸せなサッカーキャリア」についていろいろと考えさせられる一冊で個人的にはかなりオススメです。2013/06/04
sekitak
4
人生は良い時もあれば悪い時もある。どの場合長く続くことはなくそれぞれが積み重なりつつうねりのようにやってくる。Jリーグができて20年、世代が一周りし様々な運営上の問題がようやく明確になってきた。中田を除く1993-U17代表と磯貝らのその後を取材した本書は貴重だと思った。センセーショナルに捉えるわけではなく淡々と選手側の視点でJリーグの問題点を浮き彫りにする。それにしてもサッカー選手の寿命は多くの場合短く、怪我も多い。金銭的には野球ほど整備されていないことを知るとサッカーと選手を見る目がかわりそうだ。2013/06/05