内容説明
古代・中世・近世・近代、そして現代。それぞれの時代において、日本と東アジア各国とは、文化的・思想的、あるいは歴史的にどのような影響を与え合ってきたのか?その中で形作られた自他の「日本意識」の共通性と相違とは?勝海舟の中国観、周恩来、郭沫若ら中国人留学生の日本体験と日本観など、東アジアにおける「知」の大循環を探求する。
目次
第1部 岐路に立つ日本と東アジアに結ばれた「知」の横糸(日本古代・中世の教育と仏教;勝海舟の中国観;長崎の唐通事とその子孫 ほか)
第2部 東アジアへ「日本意識」の変容(如何にして「東アジアから考える」か?―日中思想交流経験を中心にして;日本語は易しいか―近代中国人日本語学習史研究からの一視点;もう一つの実学―東アジアにおける実学研究の現状と問題点 ほか)
第3部 百年後の検証・中国人の日本留学および、その日本観(傳抱石の日本留学とその影響―傳抱石書簡と金原日記を通して;何香凝と日本留学;郭沫若の日本体験と詩歌創作 ほか)
著者等紹介
王敏[ワンミン]
1954年中国・河北省承徳市生まれ。大連外国語大学日本語学部卒業、四川外国語学院大学院修了。宮沢賢治研究から日本研究へ、日中の比較文化研究から東アジアにおける文化関係の研究に進む。人文科学博士(お茶の水女子大学)。法政大学教授、上海同済大学客員教授。早稲田大学や関西大学などの客員教授を歴任。「文化外交を推進する総理懇談会」や「国際文化交流推進会議有識者会合」など委員も経験。現在、日本ペンクラブ国際委員、かめのり財団理事、朝日新聞アジアフェロー世話人など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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