内容説明
国の政策は、どのように決定されるのか。また、政策はどのように実施され、どのようなアクターが一連の政策決定および実施の過程に関与しているのだろうか。本書では、政策過程に関する代表的な14の理論ないしモデルを紹介し、検討している。既存の政策の分析に役立つだけでなく、今後の政策を考える際の手掛かりも提供する。
目次
政策過程の理論を紐解くために
ラスウェルの政策科学
キングダンの政策の窓モデル
ローズの政策ネットワーク論
ピーターズ&ピーレのカバナンス論
ツェベリスの拒否権プレイヤー論
ブキャナン&タロックの公共選択論
ピアソンの歴史的制度論
シュミットの言説的制度論
トゥールミンの「議論の技法―トゥールミン・モデル」
ウェーバーの官僚制論
リプスキーの第一線公務員論
アリソンの『決定の本質』
パットナムのツーレベルゲーム
ヘルドのグローバル化論
著者等紹介
岩崎正洋[イワサキマサヒロ]
1965年、静岡県生まれ。東海大学大学院政治学研究科博士課程後期修了。博士(政治学)。現在、日本大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Schuhschnabel
3
政策過程を分析するツールが書かれていることを期待して読む。たしかにそのような章もあるが、現代における国家の役割をめぐって政治学者同士が内輪もめしているとしか読めない章もある。キングダンの政策の窓モデルは納得度は高いのだが、いつ窓が開いていつ閉じたのか検証することができるのかという疑問が残る。ツェベリスの拒否権プレイヤー論は汎用性が高すぎてかえって使いづらい気がする。シュミットの言説的制度論とアリソン『決定の本質』の組織過程モデルが比較的使いやすそうだなと感じた。2021/07/02
Moloko
1
政策過程を分析する上でどのような分析モデルや理論があるかを代表的なものをピックアップして紹介していて、そのモデルの背景や意義からその射程と批判まで纏めてあって、政策過程モデルの先行研究を理解する上でとても役に立つ本であった。2018/02/22