目次
序論 チベット仏教の普遍的性格―モンゴル人・満洲人から西洋人まで
第1部 小説の中のチベット―20世紀前半のチベット・イメージ(白人少年とラマ僧の幸せな出会い―『少年キム』;ホームズの臨死体験―『シャーロック・ホームズの帰還』;シャングリラ伝説の始まり―『失われた地平線』;ヒッピーのバイブル―『チベットの死者の書』)
第2部 現代欧米社会とチベット仏教(伝統と先進のアイコン―ダライ・ラマ十四世;現代の「キム」たち;「立ち上がれ!」―チベタン・フリーダム・コンサート;バーチャル・チベット―映画の中のチベット)
結論 チベット文化が現代に持つ意味
著者等紹介
石濱裕美子[イシハマユミコ]
早稲田大学教育・総合科学学術院教授。早稲田大学文学研究科後期課程単位取得後退学。文学博士。チベット仏教世界(チベット・モンゴル・満州)の歴史と文化を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yoshiki Ehara
1
チベット参考図書⑥。ちょっと視点を変えて、世界でチベット文化がどう扱われているかを広く紹介する本。紹介されるのは、文学(「少年キム」やシャーロック・ホームズまで)、映画(セブン・イヤーズ・イン・チベット、リトル・ブッダなど)、音楽(パティ・スミスやU2)など。特に欧米の文化人がチベットに魅了され、様々な形でチベット支援に動いている。せっかくの切り口なので、日本の小説やマンガも取り上げたら面白いのに。2013/09/23
きなこ
1
図書館にリクエストして買ってもらいました。法王様がチベットに帰ることができたら、世界は変わると思います。2012/01/24
★★★★★
1
『少年キム』から近年のチベタン・フリーダムに至るまでの、欧米におけるチベット・イメージを概説する本。チベット仏教の思想体系はすごいと思うし、めちゃくちゃな中国の少数民族政策には憤りを感じるけれど、まず素晴らしいチベットありきで話を進められてしまうと説得力がないんですよね。主観が先に立って、チベット側のプロパガンダや、欧米におけるチベットのファッション性・経済効果などの側面を完全に取り逃しています。結果的に、安易なオリエンタリズムに回収されてしまう残念な本でした。2011/12/22
うにこ。
1
チベット上げ、日本下げが少しだけ目に付くけど、欧米に比べてチベットへの意識が薄い日本の現状では仕方ないかな。チベット問題入門書のさらに手前の、「チベットって何?」という疑問に答える間口の本として、良い感じ。面白かった。「クンドゥン」と「ザ・カップ」見たいなー。2011/11/20
メガネねこ
1
★★★★★本書は、従来のチベット関連書籍によくあるような史実を単に追い求めるドキュメンタリータッチといった手法ではなく、今までにない切り口、観点によって、チベットの存在を再度見直すような試みがなされている。 チベットをモチーフとする数々の小説、音楽、映画をテクストに、それら作品が作られた時代背景(チベットでの出来事)とリンケージさせて、世界がチベットをどのように認識し位置づけてきたかが解説される。 また、チベットモチーフの作品紹介に終止することなく、合間にはダライ・ラマ法王がとる立場を、「一人の人2010/05/18