目次
定点観測 写真と解説
資料編(釜ヶ崎の古地図、石碑他;無縁者合葬と墓籍簿;飛田の塀;ドヤ(簡易宿泊所)の変遷
労働現場と飯場
1960年代の街並と人びと
バブル崩壊と野宿者)
著者等紹介
中島敏[ナカジマサトシ]
1947年香川県小豆島生まれ。日本写真専門学校卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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チェアー
12
釜ヶ崎からにぎわいが消え、高齢者と福祉、外国人旅行客向けの安宿の街に変わった。この写真集を見て、バブル期の影響は大きかったのだなと改めて感じた。建物や店はそこから大きくは変わっていない。だが、人は年を取り、外を歩く人は減った。都合のよい安い労働力として使い捨て、用がなくなったら邪魔者扱いしてきたのは私たち。その私たちが釜ヶ崎を変えてきたのだ。2018/04/19
青井
2
戦前・戦後、バブル崩壊後、2017年のほぼ同じ位置で撮られた写真を並べて紹介している。建物の補足や当時の事件、暮らしについても言及、資料として年表や古地図も載っていて丁寧にまとめられた良書。2018/09/03
りっちゃん
1
釜ヶ崎の歴史・変遷を知ることができる。戦後のバラックから高度経済とバブルの日雇い労働の町、そして高齢化と福祉の町へ2018/05/19
ひつまぶし
0
1999年刊の増補版である本書では、2017年観測の写真が追加されている。1986年刊『ドヤ街釜ヶ崎』、1990年刊『単身生活者』でも確認できるように、中島敏の特異性は労働者の目線と記録者のスタンスにあるが、『定点観測』は記録者の部分が前面に出た作品と言えよう。もちろん、釜ヶ崎の記録写真がこれまでなかったわけではない。中島はそれらの写真に時間軸を据えて、自らの作品も付け足していくことで、記録としての位置付けをより確かにして、新たな価値を生み出している。中島の存在自体がもはや釜ヶ崎の歴史を創出するものだ。2022/04/01