内容説明
古来より、日本人は仏教を信奉しつづけてきた。しかし今、仏教界は衰亡の一途をたどっている。なぜか―それは、日本の仏教の根幹が“大乗”に由来しているからである。日本人と仏教の関わりを、その歴史からわかりやすく説き明かし、真の信仰とは一体何かを考える。
目次
第1部 仏教の成立とブッダの歩み(ブッダ(仏陀)の誕生から出家するまで
菩提樹下の悟り ほか)
第2部 大乗(日本の仏教;大乗仏教への展開)
第3部 悟り(ブッダの悟り;螺旋階段の悟り ほか)
第4部 ブッダの心(ブッディズム総論;再び教えの要約 ほか)
著者等紹介
永井一夫[ナガイカズオ]
1930年大阪生まれ。1953年京都大学経済学部卒業。1957年コロンビア大学ビジネススクール卒業。マスター・オブサイエンス(MS)修士号取得。現在、永井織布株式会社代表取締役社長、(財)永井熊七記念財団理事長、(財)岸和田市奨学会理事長(財)関西棋院副理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
父帰る
3
岸和田出身の経済人の著者が、仏陀の教えを極めて平易に解説してくれる。更に、日本人と仏教の関わりを歴史的経過の中で語っている。結論から言えば、大乗が日本の仏教を衰退に導くと。また、本書はキリスト教との比較に於いて、仏教には信仰心が要らないこと、キリスト教的な罪も罰もないこと、裁きもないこと等述べているが、それは仏陀が神だとか神の生まれ変わりだとかを一度も言ったことがないからであると。著者は特にイエスと仏陀の共通性に注目している。最後に親鸞の悲劇性について、鋭い指摘をしているところが印象に残った。2016/03/08
つねたろう
0
終始何を言いたいかわからない本である。 大乗は滅びる運命にある、と言いながら大乗仏教のチベット、ベトナムにも言及せず。 日本には中国フィルターを通した大乗経典しかなかったので、本物の仏教はないと言いながら、般若心経という大乗経典を引用して仏教を説明する。 日本僧侶の堕落に警鐘を鳴らしたいのはわかるが、論理が破綻しており、最後に「大乗仏教最後の砦を守ってほしい」という論理矛盾をはらむ文章になっている。 前半は、仏教史の概論であるため記述する必要もない。 タイトルと目次につられて買ったことに後悔した。 2019/02/13
-
- 和書
- 至福のクラシック