出版社内容情報
ドイツと共に第二次大戦のパートナーだったイタリア。知られざる彼らの戦史を、強烈すぎるファシストたちの群像劇として描く。
【著者紹介】
1959年東京生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了後、東京大学助手、大阪市立大学助教授、千葉大学助教授を経て、2000年に同教授
目次
第1章 サブリーダーたちの戦争(幽閉中の「副王」たち;「生死の境に生きる」ファシスト;「文明」を伝播する司令官)
第2章 幻の国際義勇軍(「帝国の亡霊」;「異形の人々」;「未来の同盟者」)
第3章 文学から見た戦争―エチオピア戦争と日中戦争をめぐって(新たなる解放の夢;戦場と本国の間;同質化から離れて)
著者等紹介
石田憲[イシダケン]
千葉大学法経学部教授。1959年生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得満期退学。博士(法学)。専攻、政治学(国際政治史・比較対外政策)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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unpyou
2
ファシスト・イタリアによるエチオピア侵略戦争を素材に、イタリア現代史上の意義、国際政治史上の影響、文学表現にみる日中戦争との比較の3視点から論じる論文集。人口増大に悩む後発の帝国主義国家による植民地獲得戦争という意味において、帝国日本における満州・北支侵略とイタリアにおけるエチオピア侵略は近いものがあるが、実態としての差異を見ることで色々と興味深い知見を拾う事ができる。エチオピアは日本と同じ二千年帝国なりとして、頭山満ら右翼の一党がエチオピア同情論を掲げ反イタリア義勇兵を立ち上げようとした逸話等も面白い。2015/05/10