出版社内容情報
聖徳太子の御霊に捧げられる極楽浄土の舞…四天王寺聖霊会の詳細を、綿密な考証と平易な語り口、そして150余点のカラー写真で解説。その歴史や装束・楽器まで、舞楽・雅楽鑑賞のまたとない手引き。
出版を祝して…出口順得(和宗総本山四天王寺管長)
雅楽への誘い…東儀俊美(日本芸術院会員・宮内庁楽部元首席楽長)
「寒さの果てもおしょうらい」/聖霊会の舞楽は極楽の舞/
聖霊会の次第と舞楽─どのように法要は進むのか
内容説明
聖徳太子の御霊に捧げられる極楽浄土の舞。舞楽の歴史、法要の意味、舞楽鑑賞の手引き、カラー写真百五十余点。
目次
聖霊会舞楽鑑賞の手引き(法要の進行上必要となる舞;四箇法要の中で舞われる舞;入調の舞;現在では舞われていない舞楽)
舞楽装束と楽器(舞楽装束について;雅楽の楽器について)
より詳しく知りたい人のために(四天王寺における雅楽・舞楽の歴史―どのようにして千四百年もの伝統が保たれたのか?;天王寺楽所楽家の物語)
著者等紹介
南谷美保[ミナミタニミホ]
大阪大学文学部を経て、大阪大学大学院文学研究科前期課程修了、後期博士課程中退。現在、四天王寺大学人文社会学部教授。天王寺楽所に関する著作・論文多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ねね
9
綺麗な写真を見るだけでも楽しいのだけど、読み物としても十分に楽しめる。特に最後の、歴史や四家間の対立の記録など興味深すぎる…。こんな記録がざっくばらんに残ってるのも、大阪ならではなのかも?(^^;でも格下と見られていた天王寺楽所へ下って結局居ついた京都・奈良の楽人や、果ては平家物語でも落人が居ついたエピソードとか、知らなくてびっくり。懐が深いというか、いい加減というか(苦笑)すべてを受け入れ、共生していくやり方はいいな、と思えます(でも四家は対立するw)東儀家が元々は天王寺楽所に連なるとは知らなかった!2016/08/28
ムカルナス
4
舞楽のルーツは聖徳太子が毎年、三宝を舞楽でもって供養する大法会を行うと決められ、百済の味摩之が伝えた舞楽を側近の秦川勝の子息たちに学ばせたことにあり、それは当時の大国であった隋と対等な外交をするために日本にも一流国家としての儀礼が必要と考えてのことだと言う。現代の大阪人からすると四天王寺といえば亀の池だが、その池にかかる石舞台で太子を供養する聖霊会舞楽法要が千三百年来続いていることを初めて知った。本書ではその舞楽法要が豊富なカラー写真で判りやすく紹介されており何時か見に行きたいと思った。2020/08/15
tama
1
他市図書館からのお取り寄せ本 先日コンサートとして見たので詳しいことを知りたくなり。あの赤い丸いやつは曼珠沙華!奉納相撲の最中には雅楽が演奏され、勝った側の応援団が舞楽を舞う!そりゃあチアリーダーでしょう!舞楽の演奏には弦楽器が含まれない!?あれっ。また来年の元日早朝NHKを見て確認しなくっちゃ。本は大判で写真が大きく細部もよくわかる。装束の細かなパーツも載せてくれてて、特に太平楽の衣装の肩とか腹のところの「ナニカ」は「こうなってたのか!」2015/07/28