内容説明
日本のフリーター数は四〇〇万人を超え、非正規雇用者数は一六〇〇万人を突破した。若年フリーター層の平均年収は、一〇六万円である。ネットカフェ難民や若年ホームレスに転落した者が正規雇用者となる道は、なぜ閉ざされてしまったのか―?不安で曖昧な日本の未来を予見する「プレカリアート問題」の実態に肉迫する渾身の一冊。
目次
第1章 なぜプレカリアートは急速に増加し続けるのか
第2章 「貧困ビジネス」が若者の日銭を搾取する
第3章 プレカリアート吼える!―若者たちの反撃
第4章 黙して語れぬプレカリアートの声なき叫び
第5章 就職氷河期世代の逆襲!―超世代座談会
第6章 「都知事公認暴動」を繰り広げよ!―対談 石川慎太郎vs.雨宮処凛
終章 プレカリアートの不安で曖昧な未来
著者等紹介
雨宮処凛[アマミヤカリン]
1975年北海道生まれ。00年、自伝『生き地獄天国』(太田出版)で作家デビュー。現在、生活も職も心も不安定さに晒される人々(プレカリアート)の問題に取り組み、取材、執筆、運動中。07年『生きさせろ!―難民化する若者たち』(太田出版)で日本ジャーナリスト会議(JCJ)賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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中玉ケビン砂糖
77
、「プレカリアート」(precariato:「不安定な」を意味する「precario」と「労働者階級」を意味する「proletariato」をくっつけた造語)という言葉がイタリアの町で落書きとして発見され広まったというエピソードは「本当かよ」と言いたくなったが、なるほどかつてのプロレタリアートと違い、社会の形態が完全に変わっているので「3K」的な(いわゆる「マグロ漁船」的な)労働をして一発あてるなどという幻想がまかりとおる時代ではもうなくなったということだ、「マック難民」という言葉が流行り始めたころから2015/05/05
ユズル
12
う~ん(-_-;)この本に関してはどう感想を書けばいいか、正直分かりません…確かにあらゆる事情でネットカフェを住みかにせざるしかない人々が多いのも、派遣社員やフリーターの苦労もわかる、現に昔、私もフリータ経験あったし…ただ人によっては自らのポリシーでか働かず、生活保護や失業給付金を簡単にもらっている人も居るみたいだし…社会ばかり責めるのもどうかと…ああ、分からない( ´△`) これを読んだ人それぞれの感想をもつ本だと思います。2014/04/20
白義
10
貧困がいかに苛烈な戦場であるかというのが、熱く描かれている。とどのつまり、当事者からの反撃の雄叫びのような本だ。プレカリアートを生むに至った社会の現状、その日々の暮らしのキツさ、四面楚歌っぷりが実によく伝わってくる。しかも世代間対談、座談会を見ればわかるように、少し世代や立場が変われば理解がされず、言葉でまた戦うしかない現状がある。それにしても、貧困ビジネスって怖いなあ。派遣労働現場は生き地獄か2012/06/25
デビっちん
9
プレカリアート(precariato)とは、不安定な(precario)と労働者階級(proletariato)」を組み合わせた造語。不安定な雇用、労働状況における非正規雇用者、失業者がどうして大量に生み出され、また、そこからどうして抜け出せないかがわかりました。本人が選択した自己責任だけではなく、詐欺紛いの企業や制度的な問題による貧困ビジネスが誕生してしまったんですね。ただ、知識によって負のスパイラルを脱した例もありました。やはり知識は重要だなと深く思わされました。2016/04/30
澄
8
読み始めは気持ちがどんよりしてきた。しかし読み進めるうちに著者の主張は違うのでは?と思い始めた。確かに生活するのもやっとな人がいることも理解するが、どうしても他力本願なところが見え隠れする。反面教師として自分の生き方を再考する。2015/07/10
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