崩壊国家と国際安全保障―ソマリアにみる新たな国家像の誕生

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  • サイズ A5判/ページ数 283p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784641149137
  • NDC分類 312.453
  • Cコード C3031

内容説明

国家とは何か。氏族、軍閥、海賊、ビジネスマンなど、さまざまな主体が割拠するソマリア。中央政府が存在しない状況下で、どのように秩序が保たれているのか。国内と国外の両面から、崩壊国家ソマリアを総合的に分析する。

目次

問題の所在と視座―「下からの視座」からみた国家
第1部 主権国家概念の再考(「崩壊国家」概念をめぐって)
第2部 崩壊国家ソマリアの誕生と展開(崩壊国家への軌跡―シアド・バーレ政権期のソマリアを中心として;崩壊国家ソマリアにおける「紛争」の展開―シアド・バーレ体制崩壊後の混迷;機能する崩壊国家ソマリアの課題―政府なきガバナンスの実態)
第3部 崩壊国家ソマリアの諸相(国家なき政府―ソマリランドの形成;「境界領域」をめぐる政治―プントランドの形成;イスラーム主義勢力の興隆―中・南部ソマリアを中心に)
第4部 崩壊国家ソマリアと国際社会(「海賊」問題の展開―国際的なネットワークの形成;崩壊国家とディアスポラ―国家形成への外部関与の一類型)
新たな国家像―ソマリアの事例からみえてくるもの

著者等紹介

遠藤貢[エンドウミツギ]
1962年秋田県横手市に生まれる。その後、秋田市で育つ。1987年東京大学教養学部教養学科第三国際関係論分科卒業。1993年英ヨーク大学大学院南部アフリカ研究センター博士課程修了。東京大学大学院総合文化研究科助手、同助教授を経て、東京大学大学院総合文化研究科教授。DPhil.専門、アフリカ現代政治(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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sayan

3
非常に面白かった。特に、「国内的にはまったく統治能力のない国家がなぜ国際社会のいて存続しているのか」という問いが新鮮だった。さらに、「経験国家」と「法律国家」の乖離が発生する国家の解体と再生のダイナミズムは、まさに書かれているとおり。p.241の国家は安全、秩序、厚生を提供する主体として決して特権的な地位にはないこと、などウェーバー的な国家のあり方と異なる形で実現は興味深い。それは、p.239で土佐弘之が国家が個人を守らないので、諸個人はinformalな暴力を組織化し安全を保障する箇所があり大変面白い。2016/10/25

こずえ

0
ソマリアという崩壊した国家から国家の在り方などをいろいろと考えさせられる。

YN

0
「国家とは何か」理想型としての国家像、国家要件は現代社会で習うほど一般的だ。そして、かつてヴェーバーが言ったように「暴力の独占体」としての国家が、国家に求められる姿であった。ではソマリアは国家なのか?いわゆる崩壊国家たるソマリア。そこには政府無き国があり、国無き政府がある。我々は新たな国家像が形作られてい様子を目の当たりにしている。国民国家がデフォルトスタンダードになって以来、独立国家たることには意味があった。ボーダレスな今日、緩やかな国家もありうべき姿か。2016/05/11

 

0
ソマリアに関する珍しい邦書。崩壊国家とは?崩壊しているのに一定の人々が生活をしているってどういう状況?と気になって購入。結局、今の国際社会の秩序を形成する西洋的国家と、伝統的部族社会とのせめぎあいがあり、承認されるかどうかは他の国家次第だ。ただ近代国家の建設は難しい。すぐに自勢力の利権を人々が追い求めてしまう。それらを諦めてでも近代国家を樹立するメリットを国際社会が提示してあげないと話が進まなさそうだ。そう思うと、明治維新のクーデターによる日本の西洋化は新政府のアメとムチによりうまくいったのだろうかとか2024/10/02

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