内容説明
会社を辞めて14年、1000万円の元手で商売を始め、現在年商3億円。孫正義でもなくホリエモンでもない、市井に生きる中年脱サラリーマンの泣き笑い起業奮闘記。
目次
起業にも二つの道がある
最初のプラン
会社を退職した日
辞めると言った時の家族の反応
退職直後の家計状況
いったい自分に何ができるのか
エスニック・ショップしかない
土壇場で思いとどまる
また振り出しに戻る
そうだ、着物を海外に売ろう
自分の名前で初めてモノを売った日
一番の問題は「仕入れ」だった
ライバル登場
月商一〇〇万円を突破
僕の師匠
ハードワークな日々
メールニュースともう一人の師匠
甘ちゃん卒業
その後
やるべきかやらざるべきか
著者等紹介
和田一郎[ワダイチロウ]
1959年3月8日生まれ。大阪府豊中市出身。京都大学農学部水産学科卒業。大手百貨店に18年間勤務。42歳で退職し、海外向けのアンティーク・リサイクル着物の販売を始める。2003年有限会社ICHIROYA設立。リーマン・ショックを経て現在は日本向けの販売に力を入れている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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にいたけ
31
大手百貨店に18年勤務、退職金1000万円で2003年に海外向け着物リサイクル販売を始めた奮闘記。調べたら2020年に廃業なさってました。コロナの影響なんでしょうね。中高年になると企業でのあがりも見えてきて自分はどうしたい?と考え始めます。相当な商才と行動力があれば別ですが踏み切れなくてズルズル退職迄残ってしまうのが実情なのではないでしょうか。この本はノウハウの本では無いですが晩年男性の心構えみたいなことを教えてくれます。廃業後の作者の生き方、素晴らしいなぁと思いました。2025/03/31
roatsu
17
起業関連の書籍としては風変りだけど出色の一冊。会社員だった著者が働き盛りの年齢で退社し、起業する中で経験した様々な出来事や教訓、思いを読者に共有してくれる得難い物語。会社員ならば著者の様な葛藤を抱き忸怩たる思いに悩むこともあるかと思うが、実際にその先へアクションした一つの貴重な事例を垣間見ることは自分を見詰め直す上で大きな学びになるだろう。全編通して印象深い記述ばかりだが、特に32ページの一文が心を温かくしてくれた。起業は一つの方法論で、あるがままの自分を再発見する上で著者には必然だったのかなと思う。2018/01/17
noby
11
京大農学部水産課卒がなぜか大手百貨店の催事係として十余年。脱サラしてわずか半年悩んでたどり着いた答えが中古着物の海外販売。年商2億円という微妙な線も利益率は高そう。脱サラで「流行に乗る」ことに関して「バスは次々来る」と表現した。今からでも脱サラは十分に可能だし、いつだって可能。乗り遅れたバスを嘆く必要はない。追いかけて飛び乗ることも可能だと著者は説く。 アンティーク着物・中古着物のICHIROYA http://japan.ichiroya.com/2017/03/23
らぴす
3
世間で言うところのベンチャー起業社長、みたいにはなれないけれど、会社員として一生終わるのが辛い人に贈る起業物語。著者本人の生々しいリアルな体験がつづられていて、苦しい期間の話はちょっといたたまれなかった。まぁ、今は大丈夫だからこそ安心して苦境部分も読めるんだけど。著者みたいな起業はきっとしないんだろうけど、会社から離れる選択をするときに思い返したい一冊になった。2016/04/18
Yasutaka Hori
2
等身大の独立物語。起業というと勇気が必要。それは大規模な投資をして、無一文になるリスクと背中合わせというイメージがあるから。実際、そうでなくても勇気が必要なのだろうけど、この本は「勇気はどのみち必要だけど、数億の投資を受けて勝負をすることだけが独立起業ではない」ということを朴訥と教えてくれる。そして、そうでなくても大変であるということを著者が独立してからの試行錯誤を記載することで教えてくれる。確かにあまりビジネス書には書いていないようなより「実務」に近しい本で、(偉そうですが)隠れた良書だと思いました。2017/01/19